水野南北(1760~1834年)は江戸時代に活躍をした観相学の大家であり、節食開運という考え方を唱えた人物になります。
東洋医学のブログなのに、観相の話だと違和感があるかもしれないですが、四診の一つに望診という見る方法があるので、観相と分野が非常に近いですし、参考になることも多いので紹介をしたいと思います。
水野南北は小さい頃から悪事を働いていたような人物で、牢屋にも入ることになるのですが、人相と人の運命に相関があると気付き、人相見から死相が出ていると言われ、出家をすると同時に素食を続けたところ、顔から死相が消えるだけではなく、運勢まで改善をしたので、人相、食事、運勢についての研究を行うことになります。
観相の勉強をするのには、多くの人を見た方がいいということで、髪結い・湯屋・火葬場で働いて、多くの人を見た結果、書籍としてまとめていきます。水野南北の生涯については、小説も出ているので、こちらは読みやすくていいのではないかと思います。
『だまってすわれば―観相師・水野南北一代 (新潮文庫)』
水野南北の特徴は、観相をまとめただけではなく、食事によって運勢が変わったことから素食を勧めることにもなり、食事の重要性を説いているので、現在の食養生の考え方の中にも水野南北の思想が含まれることがあります。水野南北の書籍は以下の物が有名です。
『南北相法―現代訳』
『食は運命を左右する―現代語訳『相法極意修身録』』
東洋医学では四診の中で望診という項目があり、神気という生命力を見るのだけではなく、身体のパーツを見ることによって身体の状態を判断していくのですが、教科書にも記載が少ないですし、望診を勉強するのには舌診ばかりになってしまうので、水野南北の書籍は望診にも役立つ内容が多いのでお勧めですね。
中国の書籍には望診に関する記載もよく出てくるのですが、中国語で読むよりは日本語の方が読みやすいですし、占いの要素も含んでいるので、楽しんで読める内容なのではないかと思いますね。
占いは多くの人が好きな分野ですし、話のネタとしても知っておくといいですよね。
人が占いを好きなのは、今後のことは誰にも分らないので、どうしていいのか分からない不安に答えられる分野でもあるので、正しいかどうかは置いておいて、答えをもらえるから気になるし、やってみたいと思うのでしょうね。
陰陽五行を深く突き詰めていけば、そのまま占いの要素を持っていきますが、それよりも見た目の方が話は分かりやすいので、観相はお勧めの分野でもあります。例えば、目つきについての記載もあるので、目つきがこうだとこういう傾向があるという話もあるので、治療だけではなく、そのまま生活の中にも使っていけると思います。
私は以前に読んだのですが、それ以後は自分が使いそうなところしか見ていなかったので、これを機会にまた読んでみようかなと思っているのですが、積読状態にもなっているので、どこから手をつけようかなという感じですね。