外感病因と内生五邪

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 外感病因は外邪・六淫・六気とも言われ、風寒暑湿燥火であり、内生五邪は六淫の暑邪を除いた物です。

 外感病因をしっかりと理解しないと身体の病態を理解することもできないですし、内生五邪も理解しにくいところなのですが、学び始めの人に取っては、外感病因も内生五邪も同じ物が並んでいるし、意味が分からないところになるのではないかと思います。

 

 東洋医学の単語を覚えて、繋げていく段階では、外感病因・内生五邪は分類していくことも可能になるのでしょうけど、やっぱり最初は分かりにくいところなのではないかと思います。

 

 外感病因は、外邪とも言われますが、身体の外からの影響を分類したもので、環境変化と表現をしていくことができます。外邪を理解していくためには、季節のよる環境変化を感じないといけないのですが、春は風が強く、夏は暑く、秋は乾燥し、冬は寒いというのが理解できれば、季節による身体の不調は外邪が影響ではないかと考えていくことも出来ます。

 

 外邪の中では季節変化で言えば、湿と火が除かれてしまっている状態ですが、雨が降るようなときは湿度が高いので、天候が悪くなると身体の調子が悪くなるようであれば、湿邪の影響を受けやすいと考えていくことができます。

 

 夏は暑くなりますが、暑という外邪は火と湿が合わさったものになるので、湿度がなく暑い状態であれば火が影響をしてくると考えることが出来ます。

 

 外感病因と内生五邪を理解していくためには、寒を理解していくとイメージをつけやすいと思います。寒という状態になってしまうということは、身体が寒いという状態になってしまうということですが、何によって引き起こされたのかを考えていくことが重要になります。

 

 寒という状態が身体の外の影響によって発生をしているのか、身体の問題として発生しているのかを鑑別するのが、外感病因と内生五邪という概念になります。例えば、外寒・内寒と表現をしてしまえば、病因を確定できることにもなります。

 

 冷えという状態も外寒であると確定したのであれば、寒いところに長くいたということが分かるので、温めて、冷えないように指導をすることが大切だということが分かります。内寒の場合は、環境の影響ではなく、体質になってくるので、身体を温める働きである温煦作用が低下をしていることになるので、陽気の不足が生じていることが分かりますし、気の不足も発生をしているというのも分かります。

 

 ただ、内寒と言うよりは、この場合は陽虚であると表現をした方が分かりやすいので、内生五邪の内寒は陽虚であると考えていくことも出来ます。

 

 内生五邪はこのように気血津液弁証で確定をしてしまうことが出来るものがあるので、病能として理解をして、後であれは内生五邪で考えられるのだなと考えた方が理解をしやすいと思いますね。

 

 内湿の場合は、湿が身体の中に停滞をしてしまっている状態になるので、水の管理調整を行っている臓の脾・肺・腎の機能低下によって発生をしてしまいます。湿が多く貯まってしまった状態は痰湿と表現をしていくので、痰湿と考えてしまうのでも構いませんね。

 

 内熱や内火に関しては、臓腑の機能失調・何かの停滞によって身体に熱が発生をしてしまうことがあるので、湿熱、痰火、肝火、心火という気血津液・臓腑弁証で出てくる単語と同じになりますね。

 

 内燥の場合は、陰液が不足をすると発生するので、陰虚によって生じやすいと考えていくこともできますし、内熱・内火によって陰液が消耗してしまって内燥の状態になることもあります。

 

 内風だけはイメージがしにくいところになるのですが、熱が強いと風が発生をしやすいというのは、どの病能でも出てくるところですし、火は旋風を起こすのは自然の現象としてもあることなので、火から風が生まれるのを理解しておくと、頭の中が整理をされやすいと思います。

 

 血虚によって風が生じるというのは、東洋医学の考え方の中で出てくる独特な表現になるので、症状と原因を観察した結果導き出されたものになると思うので、これだけは理解よりも覚えておく方がいいものではないかと思いますね。

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