支溝

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 支溝は前腕後面で手関節から上3寸にあり、手少陽三焦経の経穴になります。

 支溝は手厥陰心包経の間使の反対側になり、支溝を深く刺入していけば間使に到達することになります。反対側まで抜けて刺入する方法は透刺(とうし)という方法ですが、刺激も強いですし、使う人は少ないのではないでしょうか。

 

 支溝は骨と筋に挟まれている場所にある溝にあります。経絡の上には経穴が並んでいますが、近い経穴は似たような作用があるので、有名な経穴から使っていくことが多いと思うので、前腕で手少陽三焦経を使うのであれば外関を使っていく人の方が多いのではないかと思います。

 

 外関は陽維脈の八脈交会穴になるので、陽維脈の病証である「寒熱に苦しむ」(外感病証に対して使う)があるときに使用されることが多いですね。外関は絡穴になり、表裏経である心包経を意識した治療でも使っていくことが出来るので、やっぱり外関が便利ですよね。

 

 支溝は何に使われることが多いかというと、便秘のときに使用することが出来ると言われているので、一度使ってみるのはいかがでしょうか。

 

 三焦は身体の隙間であり、元気と津液が走行する場所でもあるので、三焦経を使っていくことによって全身状態の改善を図っていくこともできると考えられます。

 

 外関と支溝の違いを感覚的に理解するのは難しいのですが、外関と支溝を圧迫して比べてみると、支溝の方が重く、ズーンとする感じがすることが多いです。支溝だけではなく、外関もセットに使っていくこともできるので、近いツボをセットで使うのも効果が高いと考えられるのでお勧めですね。

 

 外関とセットにするようであれば、外感によって発生する便秘には効果が高いのではないかと考えられますね。便秘自体は健康な人でも、今日はでないかなというときがあると思いますが、そういったときに支溝を使ってみてもいいでしょうし、患者さんへの予後指導として、支溝を自分で揉んでもらうのもいいでしょうね。

 

 刺入深度はそれほど深さがいらないので、刺入をしたとしても1㎝程度で十分ではないかと思いますね。個人的には切皮をして鍼が少し立つ程度にしておいて、置鍼することの方が多いです。

 

 そういえば、手技療法を受けると、前腕はあまり受けることが少ないのですが、三焦経も刺激しないのは、もったいないと思うのですけどね。多くの治療院で心包経は触られることがあるのですが、三焦経となると少し触る程度の人が多いですね。

 

 三焦は先程も書いたように元気と津液の通り道になるので、三焦を治療の中で使っていくと、身体の調子を整えやすいと思うのですけどね。

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