清気と濁気は陽気と陰気

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 清気は清い気であり、自然界の清気と言えば、大気中の清浄な物になるので、陰陽の分類でいれば陽気と言えます。濁気は濁った気であり、自然界の濁気は、体内で不必要なものなので、陰陽の分類で言えば陰気と言えます。

 清気、濁気、陽気、陰気はいろいろな表現の中で使っていける単語になるので、前後の文中を見ていかないと何を指しているのかが分からないことが多いですね。

 

 呼吸に関しての話しだけをしていくと、外から身体の中に取り入れていくことは身体に取って必要なものなので、清気という言葉を使い、身体の中から吐き出すもので、体内に要らないものになるので濁気という言葉で表現していくことができます。

 

 清濁という言葉は陰陽で分けて考えていくこともできるので、清気を陽、陰気を陰とすれば、呼吸で吸うという行動は陽気を取り入れると考えていくことであり、呼という行動は陰気を排出すると考えていくことができます。

 

 体内での活動を考えていくと、清気は全身を循環し、濁気は集まり排出をするということなので、全身を循環する物は、活動性が高いので陰陽で言えば、陽に分類できるので、この場合の清気は陽気と表現することができます。濁気は集まり排出をするということであり、内向き、下向きと関係をするので活動の方向から、濁気は陰気と表現をすることができます。

 

 清濁は身体に取って、要る物、要らない物という意味が含まれてくるので、前後の文によって、呼吸活動による話しなのか、身体の中を流れている気血津液の運行のことなのかを考えていかないといけなくなります。

 

 身体は生きている間は生命活動を盛んにしているので、清気を必要とし、濁気を排出していることになります。身体を清浄にしていくのであれば、清気を沢山取り入れていった方がいいと考えるのでしょうが、体内に存在できる量が100だとすると、清気と言っても、多く取り入れてしまえば、120になってしまい、体内の許容量を超えてしまうことになるので、濁気を先に出して、80にしてから清気を入れるようにする方がいいのではないかと考えることが出来ます。

 

 清気・濁気、陽気・陰気というのは非常に漠然とした言葉のこともあれば、具体的な事象を伴った用語としても使われることがあるので、前後の文を読むことで初めて具体的な事象を想像することが出来ます。

 

 食事を摂取した場合でも身体に吸収される部分は清気であり、吸収されない部分は濁気になっていくので、通常の飲食でも清濁があると考えていくことができます。

 

 より詳細に考えていけば、呼吸で吸いこむ清気だって、全てを完璧に使っていないので、吸いこむ清気には清気と濁気があると表現することができますね。

 

 純粋な清気を摂取すれば健康になると考えていくこともできるのですが、身体は清濁を分ける力があり、清濁の管理もしていかないといけないので、純粋な清気だけの摂取であれば、清濁の管理の力を低減させてしまう可能性があるので、清濁・陰陽を合わせた物を摂取するのがいいと考えられます。

 

 人物の器・徳を示す表現として「清濁併せのむ」という言葉がありますが、清濁を飲みきってから、分類整理をして、清と濁を使えれば、何事も成せるということにもつながっていきますね。

 

 人の強さは自然・社会の中で生きていく強さとも言えるので、清濁を併せ飲め、清濁の管理が出来るようになるのが、東洋医学的な健康観であり、整体観でもあると言えるのではないでしょうか。

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