陰盛と陽盛は身体の陰陽バランス、寒熱バランスの話しのときに出てくることが多い表現ですが、陰盛は寒いを現し、陽盛は熱いを現す単語になります。
陰盛と陽盛は寒い・熱いを表現していきますが、陽盛と陰盛が生じた原因を考えていくことが体質を知っていくためには重要になります。陰は冷える力、陽は熱の力と考えていくので、陰陽バランスは寒熱バランスと関係します。
正常な身体の陰陽・寒熱バランスは、どちらから強いということはなく、平衡の状態になっているので、陰陽はともに同じ量が存在していると考えるので、この場合は、陰虚・陽虚はないし、陰盛・陽盛でもない状態になります。
外の気温が寒い・熱いという状態は、身体の陰陽・寒熱バランスにも影響をし、寒かった場合は、身体に陰が加わるので身体は陰盛の状態になります。熱かった場合は、身体に陽が加わるので身体は陽盛の状態になります。
環境の影響によって、寒い・熱いが出たとしたら、陰盛・陽盛と表現をしていくことができます。これが陰盛・陽盛から体質を考える一つ目ですね。
二つ目は、外の影響がなかったとして、身体の陰陽・寒熱バランスが失調をしてしまった場合があり、こちらの方がよく使われるのではないかと思います。
身体の温める働きの陽が不足をした状態は陽虚と表現し、冷えが生じてきますが、身体の陰陽バランスで考えると陽気が不足をし、見た目的には陰気が多い状態になるので、陽虚陰盛と表現をすることができます。
身体の温める働きの陰が不足をした状態は陰虚と表現し、熱が生じてきますが、身体の陰陽バランスで考えると陰気が不足をし、見た目的には陽気が多い状態になるので、陰虚陽盛と表現をすることができます。
陰盛・陽盛というと、この二つ目の陰虚・陽虚がベースになっている話しの場合もありますが、寒邪・熱邪によって陰盛・陽盛の状態になっているという一つ目の話しになることもあるので、何が原因なのかというのが重要になります。
身体の力は気と関係をしやすいので、疲れてしまったことによって陰盛になっているという話しであれば、疲労によって気が不足をし、気虚から陽虚になり、陰盛の状態になっていると言うことが分かります。
身体の水分や血は陰液と表現をされ、津液・血の不足は陰液・陰分(いんぶん)の不足にもなるので、陰虚と言ったり、陰虚になりやすいと言えますが、この場合は、陽盛の状態になりますね。
陰液・陰分の不足は、精神疲労、熱によっても生じやすいので、どういった原因で陰盛・陽盛になっているのかを考えることが必要になります。
東洋医学では病が生じる原因として病因という概念がありますが、病因には外感病因・内傷病因・病理産物などがありますが、これらが何(気血津液精陰陽)を損傷しやすいのか、どこの臓腑の機能を低下させやすいのかを理解しておくと、陰盛・陽盛が発生する原因まで考えていくことができます。
東洋医学の単語は、一つの単語で複数の意味を持つことがありますが、状態をシンプルに考えるために必要なことなのだと思います。シンプルが故に、陰盛・陽盛とただ表現をするのではなく、陰虚陽盛、陽虚陰盛というように4字熟語にして、中身の説明を足していることが多いです。
4字熟語で面倒だと思うことは多々あるのですが、慣れてくると、4字熟語だから状態を把握するのに役立つとも言えます。