鍼灸の話をすると、身体に鍼をするから痛そうと言われることがありますが、実際のところはどうなのでしょうか。
鍼は髪の毛ほどの細さしかないですが、尖った物を身体に刺していくから、それは痛そうに感じますよね。しかし、鍼治療の鍼は刺しても痛みを感じることは少ないです。
1.何故、痛みを感じないのか?
身体が痛みを感じるのは痛点に一定以上の刺激をする必要がありますが、鍼灸で用いていく鍼は0.2mm程度の太さで髪の毛ぐらいの太さしかないので、痛点を刺激しにくいので痛みを感じにくいです。
痛点は皮膚表面に多く存在していて、目に見えるものではないので、完璧に避けることは出来ないので痛みを生じる場合があります。ただ、痛みを感じさせないためには、痛みを感じやすい皮膚を一気に通過させると同時に、触れる刺激を加えると痛みを軽減することができます。
どこかをぶつけて痛みが生じた場合に、手で押さえますよね?これは触れることで、触れられた感覚が神経を伝達することで、痛みの神経伝達を軽減していることになります。ちょっとした変化かもしれませんが、鍼灸では技術として大切なことになります。
病院で注射をされたときも、人によって痛みが違いますよね?これは、鍼と同様で痛点に当たらなかったからと言えますが、圧迫やスピードが上手いと痛みを感じにくくする技術が上手いからとも言えます。
もちろん、痛点に当たれば痛いですし、完璧に避けることが出来ないので、鍼で痛みを感じることがありますが、ちょっとチクッと感じたかなという程度だと思います。まれに、痛点にヒットしてしまって強い痛みが出ることはあります。
2.鍼のひびき
身体には痛点があるので、鍼を皮膚に入ったときにチクッと感じることがありますが、鍼をしているところに、だるい、張ったような感じ、重い、しびれるような感覚が生じることがあります。
鍼の治療では、これは「ひびき」(得気:とっき)と表現するものなのですが、鍼を受ける側からしてみれば独特の感覚なので、表現を出来なくて、「痛い」という言葉で表現をすることがあります。
「ひびき」は人によって感じ方が違いますが、「ひびき」が好きな人もいれば、嫌いな人もいます。例えば、深部に辛い感じがあって、その場所をどうにかしてもらいたいという人は、その場所に何かを感じたいですよね。
「ひびき」は治療者によっては「ひびきを出さないと効果がない」という考え方の人もいるので、そういった方の治療は慣れていない人に取っては「痛いような治療」と思う人もいると思います。
鍼の「ひびき」に関してはこちらのブログも参考にしてみてください。
3.お灸は熱い?
お灸は、艾(もぐさ)を米粒の半分程度の大きさで行うことが多いのですが、火傷をしやすいので、台座灸(だいざきゅう)と呼ばれるシールの台座の上に筒状の艾が載せてあるものを使う場合があります。
通常のお灸は火傷をすることが多いですが、調整することで火傷をさせないようにしたり、熱さを感じにくくしたりすることがあります。
通常は温かい、ちょっと熱い、熱い程度で感じることが多いのですが、感じ方は人それぞれ違うので、どう考えても熱いはずなのに、何も感じないという人もいますし、心地よいと感じる人もいます。
4.まとめ
鍼灸では痛みを感じることはありますが、イメージしているよりも格段に少ないと思います。もちろん、治療者のやり方や受ける側の感受性によっても変わってくるので、「痛い」「ひびき」については、受ける側も「好み」を伝えてもらえれば対応することも多いと思いますよ。