鍼灸の流派は飲食店と同じ

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 鍼灸の治療に限らず、美容鍼灸でも人によってやり方があるので、流派と表現して、身に付けていきたいと思う人もいるでしょうが、どの流派を選べばいいのか分からないという人も多いのではないでしょうか。

 鍼灸で流派を選ぶという気持ちになったということは、どうやったらいい治療が出来るか考えているところだと思うので、どこが、一番効果があるのか?が選ぶ基準になってくるのではないでしょうか。

 

 結論からしたら、自分が好きだと思うところを選ぶのがいいです。

 

 理由としては、いろいろな流派がありますが、それぞれの流派の人達は食べていけているので、どれでも効果があります。

 

 もう一点は、完璧な物があれば、当然ながら一つに集約していきますが、数は増えることは合っても大きく減らないので、完璧な物はないです。

 

 この現状を理解するためには、流派を飲食店と同じように考えてみるといいです。

 

 例えば、現代医学はデータを取り、均一な物を提供するので、大手チェーンの飲食店のようなものだと思えばいいです。数を多くこなして短期で仕上げる整形外科は牛丼チェーン、歯医者はいろいろなところに細かく点在しているので立ち食いソバ、内科は継続通院も必要で時間がかかることも多いのでファミレスと考えられます。

 

では、鍼灸はどうなってくるかと言えば、飲食店は和食、中華、イタリアン、フランス料理、韓国料理など多くの個人店がありますよね。

 

 鍼灸の流派は、和食、中華、イタリアン、フランス料理などの違いだと思うといいです。大手チェーンにならないのは、保険制度という縛りがなく、治療内容の決まりごとが鍼灸全体としてないためですね。

 

 人によっては和食の作る手順が慣れていてやりやすいというのがあるでしょうし、味も分かりやすくて好きであれば上達しやすいですよね。そういう人がフランス料理を練習しようとしても、最初は馴染みにくく分かりにくいでしょうし、身につけるまで時間がかかると思います。

 

 しかし、一度、和食でしっかりと研鑽を積んだ人であれば、フランス料理を勉強したら、共通する点や違いを見出すことができるので、自分の味付け、盛り付け、道具が変化し、料理が変わることがありますよね。

 

 いろいろな流派や勉強会に行ってみるのは、ビュッフェでいろいろな料理を味見してみて、自分の好きな料理を味わえることと同じだと思います。

 

 初心者の方に出合ったときに、たまに言われるのがどこの流派がいいか?という質問がありますが、答えとしたら、「好きにしたらいいのではないですか」という結論になってしまうのは、「何が好き?」に繋がってくるからですね。

 

 さらに飲食店は値段やこだわりによる違いがあるので、激安店、一般的な価格のお店、高級店があるので、自分が何を目指すかによって違いも出てくると思います。

 

 流派を選ぶということは、どういった料理を主にしたいかということですし、どういった人を対象にしたいのかは、値段や雰囲気作り、こだわりによって変わってくるので、自分がどうしていきたいかを考えていきながら流派を選ぶのがいいと思います。

 

 ちなみに、流派によってやり方や使う道具が違うので、違う流派の人に質問をしても、満足がいく答えが返ってこないこともあるでしょうから、質問する場合は相手の流派や考え方は考えた方がいいと思います。

 

 例えば、「火の通し方」について尋ねたとしても、和食であれば鍋を使用しますが、中華であれば中華鍋で火力が大きく違いますよね。既に考え方となるベースが大きく違ってくることがあるので和食の疑問を中華に投げかけても分からないのと同じです。もちろん、経験や知識があれば、ある程度は答えられるでしょうけど、望んでいた答えと違う可能性はありますよね。

 

 鍼灸の流派では、元の発生が近い場合であれば、考え方の根底が似てくるので、その場合は答えを得られやすいですが、流派に対する知識が入っていないと分からないでしょうから、いくつか行ってみて、似ているなと思ったら、その感覚は正しいことがあります。

 

 飲食店では、和食をしている人は、その他の料理を否定することはないでしょうけど、鍼灸の流派だと、他の流派に否定的になる人もいるでしょうね。

 

 鍼灸は東洋医学がベースにあり、東洋医学は古典から作られていますが、古典の内容の読み方・理解の仕方が変われば、根底の考え方が変わってしまいますし、他の考え方がありえないと思うからこそ、そのやり方や流派になっているので、否定的になる部分が根底にあるのは当然と言えます。

 

 例えば、有名な宗教でも一人の人、一つの書籍をベースとしながらも、多くの流派に分かれていくのは、読み方・考え方が違うことによって変化していくので、多くの流派が形成されるのは、歴史的に見ても当然と言えます。

 

 もし、どの流派がいいのかで悩むのであれば、まずはいろいろな物を見てみて、自分で好きそうなのを選ぶのも一つですし、人は繋がりという縁によって生きていると言えるので、紹介や世話をしてくれる人のところからスタートするのもいいと思います。

 

 都心部は流派も多く、いろいろと見る機会も多いのですが、地方だとそういった機会が少なくなりがちだと思うので、学会などの大きなイベントがあるときには参加してみると、知る機会が得られると思います。

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