テーピングの効果と持続時間―テーピングテープとキネシオテープの違い

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 スポーツ現場や整形外科、整骨院でテーピングが行われていますが、色が茶色の物、白い物などがあります。テーピングには種類がいろいろあり、キネシオテープも同時に利用されていきますが、テーピングとキネシオテープの違いや、効果の持続時間がどのぐらいなのでしょうか。

1.テーピングテープとキネシオテープの違い

 テーピングと言われるのは、関節運動の固定で利用される物で、非常に多くの種類があります。種類が多いのは、固定力を調整していくためになるので、運動の特性、怪我の状況によって使い分けています。茶色のよく利用される物はキネシオテープ(キネシオロジーテープ)の場合がありますが、キネシオテープは固定がメインではなく、痛みの緩和や予防が目的で利用されていきます。

 

 テーピングは、怪我をしたところを固定するというところから発祥し、アメリカンフットボールで今のようなテーピングが行われていきました。アメリカンフットボールはぶつかり合う種目になるので、怪我が多かったので、関節を固定してケガの予防、ケアをするところから始まっています。

 

 関節の固定がメインになるので、利用されるテーピングは、固定力が強い、白のホワイトテープが利用されていきますが、運動、関節、状態によって、伸縮と言われる、少し伸び縮みする白色や茶色のものを利用していきます。

 

 テーピングは固定を主にしていますが、運動時には動きにくくなってしまうので、動きをつけるテーピングのやり方としてファンクショナルテーピングというのがあります。見た目上では違いを感じにくいですが、細かい工夫をしていくものになります。

 

 キネシオテープは、痛みの緩和や予防がメインであり、筋肉に対して利用していくので、関節に用いるテーピングとは使い方が大きく違います。ただし、販売されるときには、キネシオテープもテーピングの一種として販売されているので、区別がつきにくいですね。

 

 キネシオテープは茶色のものが多かったのですが、数年前からカラフルな物が出てきているので、様々な色があります。テーピングも様々な色が出てきているので、余計にわかりにくいですね。

 

2.テーピングとキネシオテープの効果

 テーピングは関節の固定を目的としたものなので、テーピングを巻いた後に、しっかりと目的の関節運動が制限されているのかが重要になります。例えば、足関節の捻挫を頻繁に行っている場合は、靭帯が弱くなってしまっています。靭帯は、関節の固定を行っていく組織になるので、テーピングで靭帯の働きを補強しているともいえます。

 

 キネシオテープは、基本は筋肉に対して行っていくので、痛みや問題がある動きに関係する筋肉に対して貼付して、筋肉の動きを助けて、痛みを和らげたり、動きを改善したりします。例えば、走り過ぎて膝周りに痛みや疲れが生じている場合は、関節の構造が壊れている訳ではなく、筋肉の疲労が強い状態になっているので、膝周りや走ることに関係する筋肉に対して行っていくことになります。

 

 テーピングもキネシオテープも皮膚に貼付していくものであり、皮膚に持続的な刺激をしていくことで、血流を増加し、回復を助ける働きがあるとも考えられています。後は、テーピングやキネシオテープをしているという心理的な効果が期待できるので、安心感も得られます。

 

 心理的な面なら効果がないのではないかと考えてしまうでしょうが、トップアスリートであればあるほど、ちょっとしたところで勝負が決まっていくので、見過ごせない効果にもなります。

 

3.テーピングとキネシオテープの持続時間

1)テーピングの持続時間

 テーピングに関する研究は行われており、その結果からするとテーピングの持続時間は10~20分程度になります。ただし、テーピングは皮膚に直接貼るのが効果的なのですが、直接肌に貼ると、皮膚がかぶれてしまったりするので、アンダーラップという皮膚の保護フィルムを用いることが多いです。

 

 アンダーラップを用いていくと、靴下の上からテーピングをしている状態になっているので、固定力が弱く、ずれやすいです。そのため、アンダーラップを用いるときは、アンダーラップを皮膚に固定するノリが利用されています。

 

 テーピングの習得では、綺麗に出来ることも重要なのですが、時間とともに、どんどん固定力が弱くなってしまうために、試合中では巻き直す必要が出てくるので、短い時間で巻けるスピードも大切になっていきます。

 

 伸びるタイプのもので行っていくと、固定力が弱いですが、動かしてもテーピングがずれにくい状態になっているので、もう少し持続時間が長くなることもありますが、それだと、当初の目的である固定が弱くなってしまうので、テーピングを巻く現場では、種目、ケガなどの状態に合わせて行っていきます。

 

2)キネシオテープの持続時間

 キネシオテープに関する研究も行われていますが、キネシオテープは固定ではなく、筋肉の補助に利用されているので、運動をしても比較的はがれにくい傾向があります。私もキネシオテープを自分や患者さんに利用することがありますが、数日持続することも多いです。

 

 関節運動の固定ではなく、動きを助ける働きがあるとも言えるので、水泳選手の肩では通常のテーピングではなく、キネシオテープが利用されることも多いです。水泳選手は通常のテーピングで関節の動きを固定してしまうと、泳げなくなってしまうので、種目や状態によっては関節を固定するテーピングではなく、筋肉の動きを助け、関節の負荷を減らすキネシオテープが利用されることがあります。

 

4.テーピングとサポーターの違い

 テーピングを利用するようであれば、サポーターとの違いはどうなのだろうかと気になりますよね。テーピングとサポーターどちらを利用するかについては、テーピングの持続時間が関係していきます。

 

 例えば、10分以内の競技や運動であれば、テーピングの方が固定力は強く、効果的だと言えますが、30分を超える運動になるとテーピングの固定力が弱くなってしまうので、サポーターの方が固定力は強くなります。

 

 さらにテーピングは、消耗品になるので、一度利用したものは使えないので、何度も継続して利用するようであれば、お金がかかってしまうので、費用としてはサポーターの方が安く済むことが多いです。

 

 週末に運動をするというような、たまにしか運動をしないし、怪我することがなく、一時的な対処であればテーピングもいいのですが、古傷があって、いつも痛くなるという場合は、運動するときにはサポーターをするのもいいと思います。

 

 学生スポーツであれば、運動する機会が多くても、お金がない状態も多いので、その場合は、サポーターを主として、必要とあればテーピングをするのがいいですね。足関節、膝関節などの大きな関節部はしっかりとしたサポーターも多く出ているので、サポーターの種類が多い関節はサポーターにして、細かい動作を行い、サポーターの種類が少ない手指はテーピングという使い方もあります。

 

 キネシオテープは筋肉の補助に対して利用されていくものなので、サポーターというよりは、締め付けがあるスポーツウェアの方が近いですね。スポーツウェアは非常にいい物だと、着ていると楽な状態を継続することが出来るので、疲労しにくく、動きやすい物が多いですね。有名なのだと下着メーカーが作っている物があり、私も利用していますが、非常に楽ですね。

 

 キネシオテープも消耗品になるので、身体の状態と運動時に支出できる費用から、テーピング、キネシオテープ、サポーター、スポーツウェアから選ぶといいですね。急なケガや痛みはスポーツのときには発生することが多いので、テーピング以外の物を選んだとしても、テーピングとキネシオテープを用意しておくと、対処しやすいですね。

 

5.整形外科と整骨院のテーピング

 整形外科と整骨院でもテーピングを行うことがありますが、固定がメインのテーピングは持続時間が短いので、戻ってきたときにはテーピングの固定力が無くなっていることも多いですね。キネシオテープを使っている場合は、持続時間が長くなるので、医学的知識、身体の状態に合わせて行ってもらえるのでいいと思いますよ。

 

 固定のテーピングが目的の場合は、通常の治療をしているので、少しプラスする程度だと思った方がいいのではないでしょうか。いつも診てもらっているところで、やってくれるから安心という心理的な側面もあるので、状況によっては効果的なのではないでしょうか。

 

 私も、整骨院に勤務しているときに、学生が、明日試合があるからテーピングをして欲しいということで、持続時間が短いから当日に来た方がまだいいし、直前の方がいいのだよという説明をしましたが、巻いてもらいたいということで巻きましたが、本人は満足そうでしたし、よかったようなので、心理的な面は非常に大切なのだなと思ったことがあります。

 

6.まとめ

 今回はテーピングとキネシオテープの違いということで、サポーターやウェアにも言及をしていきましたが、出来ればケガをしない方がいいですし、ケガをしたとしても、ケガをしにくい状態になった方がいいので、予防のためのトレーニングなどは重要なので、テーピングやサポーターなどを考えている人は、リハビリ、トレーニングのことも考えていくのがいいですね。

 

 私も学生時代にスポーツをしていて、よく捻挫をしましたし、捻挫しやすかったですが、勉強するようになって、リハビリ、トレーニングを意識するようになってからは、趣味程度のスポーツではサポーターなどのお世話になることがなくなりましたよ。もちろん、ケガの状態によっても変わっていきますが、何度もケガをしたところは弱くなってしまうので、継続したケアが重要になります。

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