鍼灸の治療をした後に、患者さんから、息が吸いやすくなってすっきりしたと言われることがあります。治療をしたての初心者の頃は、そんなことにも効果があるのだなというぐらいの印象でしかなかったのですが、息が苦しいのが楽になったという反応があるので、息が苦しいという方の治療をすることも出てきました。
最初の頃は、変化があるのだなという実感だけだったのですが、何度も繰り返すと、変化があると思うようになったのですが、自分の体感としての理解ではないので、どのような感じなのかなと不思議に思う部分もありましたが、遂に私も実感するようになりました。
私個人は、練習を兼ねて自分に鍼をしたり、人の治療を受けたりして、身体の変化を体幹していくことが多いのですが、ある時に、ちょっとした治療を受けた後に、息を吸うのが凄く楽だし、呼吸が深くなったのを実感しました。
これが、患者さんが言っていた感覚だったのかと感動すると共に、今まで苦しいと感じたことがない呼吸が実は浅かったのだなと驚きました。実感したことで、嬉しいという感情もあったのですが、今まで感じなかったのは、若かったということで、実は年を取ったことで体調が少しずつ落ちていたのだなという実感にもなりました。
今までで呼吸が苦しいというのは一度だけありました。風邪が長引いた後に副鼻腔炎になったことがあるのですが、副鼻腔炎がよくなってきたと思ったら、息が入ってきにくいという経験があったぐらいで感じたことがないので、年齢による低下はいろいろなところに来ているのだなと思いましたね。
一応、年齢もあがってきたし、体力も衰えてきただろうと思って、注意する上で、週に1~2回は軽く走るようにして、体力増強に努めていたときでもあるので、本当に驚きでしたね。
もちろん、走っているときも、昔ほどしっかりと走れないし、息が上がりやすいと思うこともあったのは事実ですが、普段の呼吸が苦しいとは感じたことがなかったのですけどね。
鍼灸で何故、呼吸が深くなったのかを考えていたのですが、長い年月を経ることで、皮膚、筋肉の動きが硬くなっていってしまったことで、呼吸筋、肋骨の動きが悪くなって、深く呼吸が出来ていなかったのが、鍼灸で皮膚・筋肉が緩み、筋肉だけではなく、肋骨の動きもよくなったことで、深い呼吸を実感できたのかなと思いました。
呼吸の深い、浅いを意識して、練習や自分で治療をしてみると、上手くいっているときは、呼吸が凄く楽だし、身体の中深くまで息が入ってくるのを実感するようになりました。
しばらくそんな状況を続けて見たら、次の変化に気付くことになりました。顔色も見るようにしているのですが、顔の血色がいいし、ツヤもよくなってきたなと感じることが多く、しかも、寝不足などがあっても次の日には戻るようになったことですね。
歳と共に、肌のツヤがなくなり、かさついた感じになっていくのが普通ですが、思い返せば、若いときには、かさつく感じがなかったのですよね。
今まで、鍼灸師で自分に鍼を沢山したり、治療を受けている人は肌のツヤがいいなと思っていましたが、呼吸が凄い大切だったのだなというのが分かりました。年を取ることで、身体に変化が出ますが、自分が低下してきているのが、鍼灸の効果を実感できるようになってきたのですね。
変化がよく分かるのが嬉しいような、年を取っているのが悲しいような気もありますが、20年やっていても、大きな変化を分かるのは面白いですね。
今後は、呼吸に関して東洋医学的な考えもしっかりとまとめてみたいと思います。