慢性疼痛には傍鍼刺

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 国家試験の勉強では、刺法は出題頻度が高いので、嫌々覚えた人も多いのではないでしょうか。ちなみに、私も九刺・十二刺・五刺の刺法は国家試験用として、嫌々覚えた一人です。

 学生時代、卒業後は、刺法なんて学ぶ意味はあったのかと思っていましたが、卒業したらあっという間に忘れていましたが、新しくなった教科書を読みなおして勉強を再度してみてから、刺法も見てみると、刺法のようなことをやっているなと気づくようになりました。

 

 もちろん、刺法として意識した訳ではなく、自分の中でイメージをして鍼をしていったら、刺法と同じようなことをしていたという状態ですね。例えば、痛みや冷えがあるところに鍼を何本か刺していたら、刺法にも同じような物があったという感じですね。

 

 思っていたよりも、刺法って使える物があるのかなという気持ちでパラパラと読むようになり、何となく、記憶に定着していくようになってきたところで、そういえば、慢性で症状が長い場合は、鍼を刺したすぐそばにもう1本刺すといいという傍鍼刺があったなというのを思い出し、実際に使ってみました。

 

 頚部のこりから頭痛が酷い人で、頭痛薬を手放せない人を継続して診ているときに、ふと、持続の効果を考えたら、鍼の側にもう1本刺入する傍鍼刺というのがあったけど、どうなのかなと試したところ、それ以来、ぎりぎりのところで頭痛薬を飲まずにいられるようになったということです。

 

 個人差はあるので、本当にこれが効果的なのかは、まだまだ確定するのには早いですが、慢性的で頑固な局所症状には、一つのやり方としてはありだなと思いました。2本鍼をすると、響きも強くなるので、響きが嫌いな人に取っては、辛いやり方になってしまうので、やり方自体も考えていく必要があるなという感じですね。

 

 やり方は、2本鍼をして、2本の鍼柄を合わせて持ち、軽く雀啄するのですが、通常の響きよりもかなり強く感じるようです。実際に私自身も自分の身体にやってみたのですが、ここに刺激が欲しいというようなときには、効果的だなと感じました。

 

 2本で雀啄するので、鍼が曲がりやすいので、鍼の番手は3番ぐらいあった方が、まがりにくく安全に出来ますね。私は、非常に浅いところでやる場合は、1寸の1番程度でも行うことがありますが、刺入を少しでもするのであれば寸3の2番かそれ以上で行うようにしています。

 

 いろいろな治療法を探したり、聞いたりしていたときに、局所の施術として、痛みが強いところに、10~数十本行うというやり方も聞いたことがあったので、確かに鍼数が多くなると、より効果も高いのかなと感じました。

 

 一つのツボの効果を高めるためにも、響かせて雀啄させる訳ではなくても、数本の鍼をしてみるのも面白いので、最近は、局所施術も楽しみになってきています。

 

 まだまだ使っていない物でも、効果が出せるものがあるかもしれないですし、沢山、上方をインプットしておくと、そのうち施術の中で閃くので、やはりインプットは凄く大切ですね。入れては忘れ、入れては忘れを繰り返しますけどね。

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