陰虚は寒がり陽虚は暑がりは正解?

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 陰虚と陽虚は中医学と学校教科書によく出てくる内容ですが、陰虚は暑がりで、陽虚は寒がりになりますが、逆の意見もあります。

 陰虚は寒がりで陽虚は暑がりという意見がありますが、この考え方は日本漢方や日本の鍼灸流派の中で使われることがある考え方で、正しい表現になります。混乱しますよね。どこまで知っているかが分からないと、何を言っているのかが分からなくなってしまうので、説明を加えていきたいと思います。

 

 中医学で用いてくる陰虚と陽虚の概念は、八綱弁証ともつながっていて、病証を説明するときに使われます。例えば、熱証と寒証を考えた場合に熱証はのぼせや暑がり、寒証は寒がりと考えることができるのですが、熱証に虚実があると考えます。

 

 八綱弁証のルールにのっとって、熱証の虚実を分けると、実熱と虚熱に分類することができます。熱証の虚実なので、この病能は両方とも熱証ですが、外邪や停滞による内熱による病能が実熱になり、陰液の不足からくる熱証が虚熱証になります。

 

 寒証の虚実を同じように分けると、実寒証と虚寒証に分けることができます。病能はともに冷えになりますが、寒邪や冷たいものを多く食べたときは実寒になり、身体を温める陽気の不足からくるのが陽虚証になります。

 

 教科書でもこの考え方なので、鍼灸師の一般的な考え方はこの中医学の陰虚と陽虚についてのイメージになります。

 

 変わって、陰虚は寒証で、陽虚は熱証の考え方ですが、これは陰陽虚実に対する考えをまとめたものになります。ここで行っている考え方はちょっと特徴があり、陰陽という表現は寒熱として考えることが必要になります。

 

 例えば、陰虚は「寒証の虚証」と考えることになり、「寒証の虚証」なので「冷え症の虚証」になります。寒邪が身体に影響を与えた場合は、「寒証の実証」になるので、陰実証と考えていくことができます。

 

 一瞬で読むと分かりにくいかもしれませんが、陰陽・寒熱を整理してもう一度読むと分かると思います。ただ、相手が何を言っているのかを判断するのには、相手の勉強してきた背景か何の症状に対して言ったのかを聞いて判断する必要があります。

 

 では、陽虚に進みますが、陽虚証は先程と同じように陰陽という語を寒熱に置き換えると、「熱証の虚証」になるので、「暑がりの虚証」となり、身体の冷やす働きが低下をしてしまって熱が発生したことが分かります。

 

 熱中症のように身体に熱が大きく影響した場合には、「熱証の実証」になるので、陽実証と表現をすることができます。

 

 初めて聞くときは、何を言っているのかがさっぱり分からないと思いますが、使い慣れると簡単ですし、書籍を読むときや話しを聞く時に覚えていた方がいい知識なので、大切なものになると思います。

 

 私も学校で陰虚と陽虚、八綱弁証を習ったときは、頭がはじけそうでしたが、慣れてくれば陰虚は虚熱、陽虚は虚寒と覚えてしまうように、陰虚が中医学の陽虚、陽虚が中医学の陰虚という考えも慣れになると思います。

 

 私も最初聞いたときは、しばらく頭がフリーズをしました。陰虚や陽虚に対応する陰実・陽実ですが、実という単語を「盛」と置き換えることもあるのですが、これは「多い・強い」という意味で考えれば十分になります。

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