くすぐったくて鍼ができない

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 患者さんでたまにいるのが、くすぐったがりの方ですね。鍼灸治療をしようとして触診を始めると、くすぐったくて、押手を構えられないし、治療が出来ない場合がありますが、対処法はあります。

 若い人ほどくすぐったいと感じる人も多いですが、単純に触られ慣れていないということでもあります。私自身も学校に入学したときは、身体を触れられるとくすぐったくて仕方がなく、背中以外は触診で触れられると我慢が出来ないことが多かったです。

 

 触られることに慣れてくると、気にもならなくなるのですが、患者さんでくすぐったがりの方がいたら、慣れるまで待って下さいとはいかないので、どうにかしていかないといけないです。

 

 くすぐったい感覚は自律神経が興奮していると考えられるので、落ち着いてくるとくすぐったい感覚が消失することがあります。簡単な方法は、治療を受ける前にゆっくり休んでもらって、ホットパックなどでくすぐったい部分を温めておくと、触ったときに大丈夫なことが多いです。

 

 もちろん、身体の側方はほとんどの人がくすぐったいですし、温めても軽減する可能性が低いです。くすぐったくて治療で困るという場合は、ほとんどが背中・腹部で感じると思うので、治療前に温めながらリラックスしてもらうのもいい方法ですね。

 

 落ち着いた方が脈も見やすいので、治療院に着いてすぐに治療よりは一度、リラックスをするのは、治療効果が高いことも多いのでお勧めですね。

 

 東洋医学では衛気の働きによってくすぐったい感覚が生じてしまうのですが、衛気が踝活動になってしまっているときに、くすぐったい状態が出ることが多いので、身体が落ち着いてから治療をするといいでね。

 

 経穴を使っていくことでも多きく変化をして、くすぐったい感覚が消失することがあるので、治療前にリラックスするだけではなく、治療中でも対応していくことが多いです。

 

 簡単な方法は、鎮静効果が高い百会に鍼を切皮して置鍼をしておくと、くすぐったい感覚が消失することが多いです。百会だけではなく、四神聡も足していくと効果が高く出るので、くすぐった感覚の強さによって使い分けるといいですね。

 

 他には、くすぐったい部分と関係する経絡で末端部に鍼灸を行っていくだけでも、効果が出ることがあるので、腹部であれば足三里、背部であれば督脈と関係する百会は効果的ですよ。

 

 くすぐったい感覚は衛気とも関係をしていくと言われるので、衛気の働きが過剰になっていると、くすぐったさとして感じてしまうことがあるので、衛気の循環に関係をしている肺の機能に対して治療するのもいいですね。

 

 簡単な方法は肺の原穴である太淵を使う方法ですが、痛みや響きが出やすいところになるので、太淵に鍼を接触させているだけでも落ち着いてくることが多いです。鍼のひびきに関しては過去のブログでも書いています。

鍼のひびきとは

鍼の響きが出る深さ

 

 手技でも同じように対応することができるので、くすぐったいという人がいたら、頭部の指圧から先に行っていくと、くすぐったい感覚が落ち着いてくることが多いです。頭部の施術で注意をしないといけないので、少しの揺れでも大きく感じてしまうので、基礎基本が重要になります。

 

 頭部は筋肉が多くあるところでもないので、押す圧はそれほど必要ないのですが、その狭い押す範囲でゆっくりと圧をかけて行って、しっかりと止めることが大切です。圧を抜くときは、身体で行うとき以上にゆっくりと抜くことが大切になります。

 

 こういった形で頭部の指圧を行うと、「フワッと」感じることが多くスッキリすることが多いですよ。「フワッと」とは何だと思う人もいるかもしれませんが、こればっかりは「フワッと」としか表現できないのですよね。

 

 いろいろな鍼灸やマッサージを受けますが、頭頚部の触り方と治療が上手い人って少ないように感じます。もちろん、上手な方もいるのでしょうが、なかなか受けることが出来ていないですね。

 

 話しが反れてしまいました。くすぐったいのを消すということでしたが、頭部の施術は効果的なので、くすぐったい方がいたら、是非、試してもらいたいです。

 

 1回やったらずっと効果が継続する訳ではありませんが、治療の度に落ち着くような施術をしていくと、身体に触れやすくなるので、触れられることに慣れて、くすぐったいという感覚が消えていくことが多いです。

 

 頭部の施術は本当に気持ちがいいので、頭部は毎回やってと言われてしまうこともありますので、やり過ぎに注意ですね。

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