痒みを東洋医学で考える

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 痒みは、かき続けてしまうと、皮膚が傷ついてしまうので、我慢するしかないと分かっていても、我慢するのが難しい感覚ですね。

 痒みが発生するのには様々な原因があるのですが、東洋医学で痒みを考える場合には、最初に頭に浮かばなければいけないのは、皮膚に痒みが起きているのであれば、皮毛の部の症状なので、肺に問題がある可能性が高いということです。

 

 肺の働きは、皮毛と関係をして、身体のバリヤー機能と関係しているので、皮毛の部に症状が出ているときには、身体のバリヤー機能が低下していると考えることが出来ます。

 

 どこの部分に症状が出ているかを把握すれば、臓を考えることが出来るので、最低限の治療方針は立てることが可能になります。

 

 肺を治療すれば、完璧によくなるかと言えば、なかなかそう簡単にいかないことが多いですが、その場合は、痒みがどのように起こってくるのかをしっかりと考えていくことが大切になるので、痒みを東洋医学で考えてみたいと思います。

 

 痒みがあった部位は発赤していることが多いので、赤は熱がある証拠として考えるのが東洋医学の見方になるので、痒みがある場合は、熱が影響していることが多いです。熱が存在していて、皮毛に影響を及ぼすと、皮毛が燃やされていってしまうので、表面が赤くなり、異常感覚として痒みが生じていきます。

 

 熱邪は身体を滋養する働きの陰液・陰分を損傷しやすい傾向があり、陰液・陰分が十分でなくなると、皮毛を栄養する働きが低下をしていくので、痒みが落ち着きにくくなってしまいます。

 

 痒みがあるところを冷やすと痒みが軽減することが多いですが、これは熱が盛んになっているところなので、寒を加えていくことで熱の働きを阻害して痒みを軽減していると言えます。知熱灸に関してはこちらを参考にしてください。

知熱灸の最適な大きさと治療効果

 

 他にも風邪が身体に影響を与えているときにも痒みが発生することがありますが、この場合の痒みは範囲が広く、痒みの部位が移動しやすい傾向があります。風邪の阻滞が続けば、熱化をしてしまうことがあります。

 

 痒みが発生する状況としては他には乾燥肌から痒みが出るということがありますが、これは血虚が生じていると、皮毛を十分に栄養することが出来ないので、皮が弱くなってしまったことによって痒みが発生しています。血虚の症状として、さめはだ(肌膚甲錯:きふこうさく)と呼ばれる状態もあるので、ガサガサしているだけではなく、痒みも生じてしまうことがあります。

 

 血虚が進行をしてしまうと、血虚生風の状態になってしまうので、風邪が発生をしてしまい、病能がより複雑になってしまうことがあるので、乾燥肌が長期に続くようだと注意が必要になっていきます。

 

 湿熱によっても痒みが発生することがあるのですが、湿熱による痒みの場合は、湿邪の重濁という性質によって下降する性質があるので、生殖器などに痒みが生じている場合は湿熱の可能性が高くなります。

 

 湿熱が関係をしやすい痒みは、他には、食物アレルギーによる発疹も湿熱が関係をしていることが多いと考えられます。胃に湿熱が阻滞してしまうと、肺経は中焦から始まってくるので、肺経に影響を及ぼし、皮毛の症状が発生をしてしまうことがあります。

 

 痒みの発生には様々な原因があるのですが、停滞している熱を排出させることが大切になるので、消化器系を強めていくことによって停滞している物を排出させていきます。

 

 痒みの特効穴に肩髃がありますが、肩髃は大腸経に属しているので、大腸経を刺激することによって、停滞しているものを排出させるので痒みが除去できるのではないかと言えます。

 

 痒みが生じている患者さんを治療することはありますが、痒みなどの皮膚系疾患は治療効果がしっかり出てくるまでは時間がかかることが多いです。ちょっと痒みが止まるということはあっても、他の部位からまた発生してしまうことが多いので、治療する側も治療を受ける側も根気が必要な治療になると思います。

 

 痒みを改善させる治療では消化器系を強めていくのが重要になるのは書いた通りですが、この考えを使って痒みをよくしていくのであれば、お腹の調子を整えていくことが痒みを改善させるのに有効になるので、痒みが発生しやすい人は、お腹の調子を崩さないように生活していくことが大切になると思います。

 

 風邪や湿邪などの外邪についての話も出来来ましたが、外邪については、こちらのブログを参考にしてください。

気候変化と身体の関係

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