冷え性は鍼灸で治す

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 冷え性の人は、身体の芯から冷える感じがあり、元気も出ないので辛く感じる人が多いですが、冷え症は鍼灸治療でよく改善する症状の一つです。

 

 治療効果には個人差があるので、全員が鍼灸を受けた次の日から冷え症が改善したというのは非常に少ない話ですが、治療後数日は、冷え症が軽減していくことが多いです。

 

 治療後も人によって効果が違うことがあるので、治療が終わってすぐから身体がポカポカと温まり、冷え症が楽になるという人もいれば、治療をした後は効果が感じないけど、自宅に帰ってから効果を実感する人や次の日になると効果を実感する人もいるので、その人の感受性によって効果の出方が違います。

 

 何人か見たことがあるのは、治療後は全く変わった感じが出なくても、次の日になると爽快になるという人がいるので、その場合は、効果が出るのに時間がかかるということなので、直後効果を出そうと思って焦って治療をどんどんと加えていくと逆に悪化をしてしまうことがあります。

 

 冷え性は夏の冷房が強くついているときか冬に辛く感じることが多いものですが、冷え症が強く出てくる前に治療をした方が効果は出やすいです。ただ、冷え症もですが、他の症状も症状があるときに治療をしたいという人が多いので、症状が出る前に治療をするという考えは非常に少ない傾向があります。

 

 私も虫歯は日々のメンテナンスと小まめな検診が必要なのは分かってはいるのですが、なかなか行かないのが現状なので、症状が出ないと気付かないというか考えたくないものなのだと思いますね。

 

 冬の冷え症がひどい人は、夏や秋の時期から治療を始めていると、冬になっても身体が楽に感じることが多いです。季節の変わっていくときは、身体が対応しようとして頑張っている時期なので、臨んだ治療効果が得られないことが多いです。

 

 冷え性の治療は長期でかかることが多いですが、年間を通じて治療を行っていると、身体の状態の違いをはっきりと理解される人も多いです。冷え症自体が完全になくなった訳ではなくても、1年前の状態と比較すると、冷えの感じ方が全く変わったので、寒いは寒くても身体としては楽だということが多いです。

 

 冷え性がひどい人は、しもやけになってしまうことがありますが、継続した治療をした人はしもやけになる頻度が劇的に低下をすることが多いです。しもやけになってしまうと、足が痒くなるだけではなく、むくみもひどくなってしまい、生活するのが大変だったのがなくなるので、生活が楽になることが多いようです。

 

 冷え性となると、東洋医学的には陽虚証になっていることが多いのですが、陽気の不足は、気の不足によって生じてしまうことがあるので、もともとは気虚の状態になっていることが多いです。

 

 気の不足なので、もともと持っている力が弱いか、疲労をしているということがわかるので、疲労回復が十分に行われないと、陽気の不足も改善するのが非常に難しくなっていきます。

 

 気の生成は脾の働きによって成り立っていて、脾はお腹の調子と関係をしやすいので、お腹の調子を整えるのが冷え症をよくしていくためには必要になります。日々の生活の中で注意をするのは、油ものや甘いものを摂取するのを減らしていくことが必要になります。

 

 お腹の調子を整えるのによく使われているのは腹巻ですが、腹巻はお腹を冷やさないようにすることによって、脾の働きを強める作用があります。お腹を冷やさないために腹巻をするというよりは、お腹の調子を整えるために腹巻をするということになるので、腹巻は1年中していてもかまいません。

 

 ただし、夏の間は腹巻をしていると汗をかいて逆に冷やしてしまうことになるので、汗をかきやすい状態のときには腹巻を取り、仕事中や寝ているときに腹巻をするようにすれば、汗によって冷えてしまうことがなくなります。

 

 腹巻以外では、お腹にカイロを貼るようにすると腹巻と同じようにお腹を温める働きがあるので、脾の働きを改善して、気を生成し、陽気の不足を改善できるようになっていきます。

 

 仙骨部も冷え性の人には効果的な部位になるので、腹部・下腹部・仙骨部にカイロを貼るようにすると冷え症の改善をしていきやすいと思います。ただ、一日3か所を続けるとお金もかかるので、腹巻を何枚か用意をして洗濯した方が安上がりですよね。

 

 冷え性があるから足先にお灸というのは治療の選択肢としてよく使われるのですが、下腿下部も足の冷えに対して効果的なので、治療の効果を持続させるためには、下腿下部にカイロを貼ってもらうのも効果的な方法の一つになります。

 陽気の不足に関してはこちらも参考にしてください。

東洋医学で考える暑がりと寒がりー陰虚と陽虚

 

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