世界は陰陽で成り立っている

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 東洋医学は東洋哲学を用いている物なのですが、陰陽は東洋哲学思想に取って重要な物であり、世界は陰陽で成り立っているという考え方があります。

 いきなり世界が陰陽で成り立っていると言われても、話が大き過ぎて意味が分からない物になってしまいますが、世界はどうやって成り立っているのかを考えている人から取ってみれば重要な考え方になります。過去のブログでも陰陽について書きましたが、違う視点から今回は説明をしてみたいと思います。

東洋医学の陰陽って何?

 

 例えば、一日の中で明るい時と暗い時という昼と夜という世界がありますが、この二つの時間があることによって、人は生活をすることもできるし、草木が成長することができるので、物事には二つが必要だというのが分かります。

 

 日が当っているときにも日陰が出来ているので、陽だからと言っても陽だけになることがないというのが陰陽の考え方の根本になります。陰陽という発想が生まれてきたのは自然観察の結果になるので、自然の状態を観察していると見られる当たり前の状況を陰陽という二つの単語で説明をしたものですね。

 

 世界の状況を見ていくと、陸地と海という二つの物が存在しているので、海は陰、陸地が陽として考えると、世界は陰陽で成り立っていると言えますね。こうやって、今ある物事や世界を陰陽という2つの単語で分類をしていくのが陰陽の考え方の根本になるので、慣れてくれば誰にでも用いることができるので、哲学性を持った概念になります。

 

 海が陰、陸地が陽という話をしましたが、天と地というので世界は成り立っているので、天と地で陰陽を考える場合には、天が陽、地が陰とすることができます。ここで、海と比較したら陸地は陽だったのに、天と比較すると地が陰になってしまいますが、陰陽は分類の仕方が存在するだけで、完全には分けられないので、状況によって陰陽の分類が変わることがあります。

 

 陰陽概念は分類をしていくというのが基準になるのですが、陸地の話でもしたように、状況によって陰陽が変化をするのが理解するまで時間がかかることです。例えば、明は陽、暗は陰という分類が基準であれば、明るい時にも暗い場所は陰があると考えることが出来るので、陰陽の分類が分かれば陰陽を分けるのは簡単になりますが、状況によって分けるというのは状況を考えて自分で陰陽を分けなければいけないので、慣れるのには時間が必要になります。

 

 世の中には動く物と動かない物が存在していて、動物・植物と分けていくこともできますが、動は陽、静は陰なので、動物は陽気、植物は陰気と考えていくことができます。動物の中でも動かない物、植物の中でも動くものがありますが、その場合は陰陽の分類をさらに分けていくことで、陽中陰、陰中陽と分けて考えることができます。例えば、植物は動かない物なので陰ですが、成長はしていくので成長する状態は陽ととらえていくことができます。他には、種が風に乗って移動するようであれば、植物事態は陰であっても種は陽と考えていくことができます。

 

 これで植物事態は陰、成長は陽、種の移動を陽とすると、陰陽だけで草木の生命現象を捉えていくことができます。ただし、陰の陽の陽と言われても何を言っているのか分からないので、何に対して陰陽を使ったのかという前提が必要になります。

 

 人間ということを考えたときには、男・女という2つの存在があるので、男は陽、女は陰と考えることができます。男の中でも男性性が強い人が入れば、陽中陽というように陰陽を細分化できるというのは先ほど説明した通りになるので、女性に対しても同じように分類を細分化することができます。

 

 男と女が一緒になることで、子どもが生まれますが、これが陰陽が合わさった結果として捉えられていて、陰陽が和合することが世界の中でも重要なことだと考えていきます。

 

 例えば、昼・夜という2つの分類でも段々と変化をしていく過程があって初めてこの世界というのが成り立っているので、陰陽が合わさった状態というのが自然の中でも重要になります。

 

 人間においても、例えば男性は陽になりますが、動くときと動かないときがあるので、陽の人でも陽・陰がバランスを取ることで成り立っていて、女性という陰があるときには陽として働くことが必要なので、陰陽が合わさって混じり合った状態が重要になります。

 

 こういった陰陽の働きが身体の中にも存在をしていて成り立っていると考えていくのが東洋医学の考え方でもあるので、陰気・陽気という概念が大切になっていきます。陰気・陽気については過去のブログの中でも紹介しましたが、寒は陰、熱は陽と考えていくので、身体の寒熱バランスを陰気・陽気という概念で説明をしています。

東洋医学で考える暑がりと寒がり―陰虚と陽虚

 

 寒熱バランスの失調がある人は陰気・陽気という概念を使って説明することができるのですが、身体事態は陰陽で成り立っているという考えをしたときには、身体を動かすのが気であり、栄養するのが血・津液になるので、気・血を陰陽で分類して考えるのも大切になります。

 

 東洋医学で考える身体の状態は気・血・津液・精・陰気・陽気という概念があるのですが、まとめてしまえば陰気・陽気という2つの分類で説明をすることができますが、個別の内容に関してはこちらのブログを参考にしてみてください。

気の分類

気の作用

生殖能力と東洋医学―精と気

東洋医学の血と現代医学の血液の違いは?

身体の中の水分の話―津液の話

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