テープやシールを貼るだけでも効果がある

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 身体にテープやシールを貼るだけでも治療効果がありますが、どのような時に使い、どのように行うのでしょうか。

 ツボにテープを貼る治療ということでは以前のブログの中でもテープ以外の治療も含めて書いているので参考にしてもらいたいと思います。

「ツボにテープを貼る治療」

 

 テープやシールを身体に貼ると、皮膚表面に添付をすることになるので、皮膚の知覚神経を刺激することになります。身体は神経とホルモンによって調整をされているので、皮膚にテープやシールを添付することによって、知覚神経が刺激を受け取り、それが、身体の中枢である脳・脊髄に伝わって、今度は、内臓に影響を与えていきます。

 

 内臓の問題が身体の表面に痛みなどとして生じることがありますが、この場合は、上で述べた経路と逆になっています。

 

 このことを考えると、人は洋服も着ているし、アクセサリーや小物を着けていますが、それでも効果があるのではないかと思うでしょうが、それでも効果が発揮されることがあります。分かりやすい例で言えば、スポーツ選手が何かのアクセサリーを付けたことによって調子が上がったという話がありますが、これが“着けている”という効果になります。

 

 余談になりますが、トップのスポーツ選手の場合は、運動・食事・休養などいろいろな物を極限まで行っているので、ほんの少しの刺激でも大きく変化をすることがありますが、一般の人の場合は、普段の管理が徹底をしていないので、スポーツ選手ほどの効果が発揮される可能性は低くなると思います。

 

 こういった着ける・貼るというような物は、誰でも見つければ作れるので、多くの商品が現れて消えていっていますね。効く人には効くけど、効かない人には効かないという例にもなってしまいますが、効果が全くないというよりは効果を感じにくいと考えておくといいと思います。

 

 東洋医学的に考えたときに、身体は臓腑というものが中に納まっていて、そこにつながる経絡というのが全身に走行をしているという考え方をしています。この考え方は臓腑経絡説という言葉で表現をされていて、臓腑と身体の隅々は大きく関係をするという考え方になります。

 

 この経絡の上に存在するのが一般に言われているツボ(経穴:けいけつ)になるので、東洋医学的にテープやシールを貼る治療を行うという場合は、ツボを使っていくことになります。経絡とツボの関係については「東洋医学の特徴は何か?」というブログを参考にしてください。

 

 ツボにテープやシールを添付すると、そのツボが所属する経絡に影響を与えることになり、経絡は臓腑につながっているので、経絡上の治療だけではなく、臓腑にも働きかけることになります。

 

 鍼灸治療も同じようにツボを使うことによって、経絡に作用して臓腑に働きかけるということなので、テープやシールを貼る治療も東洋医学の治療として用いることができます。さらに東洋医学では様々な物を五行に分けているので、五行の考え方を使ってテープやシールを用いることができます。五行については、こちらのブログを参考にしてください。

東洋医学で考える相性―五行

風水と東洋医学―五行

 

 五行の中で五色と呼ばれるものがあり、木(青)、火(赤)、土(黄)、金(白)、水(黒)と分けられるので、シールの色分けをすることによって、五行を用いた治療をすることができます。五行には五臓ということで、木(肝)、火(心)、土(脾)、金(肺)、水(腎)という分類があるので、五色を用いることによって五臓に働きかけることができます。

 

 身体が色を識別出来るかというのを証明するのは難しいのですが、テープやシールでも色を分けることでも効果の違いを出すことも出来るので、実態としてはあるけど説明ができない物になると思います。唯一、説明が出来るのがこの五色と五臓との関係なのですが、嘘ではないかと疑ってしまえば、怪しいとなってしまいますね。

 

 鍼を刺入してもよくならなくて、お灸をしても変わらないという状況になったときに、皮膚面にテープやシールを貼ったら効果があったというのは臨床の中では遭遇することになるので、好きや嫌いはともかく知っておくのは大切だと思います。

 

 五色と五臓の関係は分かったけど、ではどういうところに添付をすればいいのかが気になるところですが、ツボの選び方は鍼灸治療と同じなので、その人の状態・体質である証を決定して、その証にあったツボを使うのが効果的だと言えます。

 

 難しそうなことを書いていますが、お腹の調子が悪いのであれば、お腹にあって八会穴の一つである腑会(中脘)を使うという考え方でも治療は出来るので、腑会にテープやシールを貼るのでも治療は可能です。

 

 テープやシールは、添付をしたままの状態にすることができるので、治療時間が長く出来るという利点があるので、治療のプラスアルファとして使うのもいいですね。テープやシールに近いものは円皮鍼・皮内鍼があるのですが、これはテープに鍼がついているものなので、はがれてしまうとどこかにいってしまうというリスクがあります。

 

 こういったことを考えるとテープやシールを貼るという治療はリスクが非常に少ないので、便利な物になるのですが、テープやシールは皮膚をかぶれさせてしまうことがあるので、医療用の物を使うのがいいですよ。

 

 使ってみないとどれぐらいの効果があるのかが分からないことが多いですし、イメージしにくい治療方法だと思いますが、有効性もあるし、リスクが少ないので有用性もありますね。

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