あの患者さんに謝りたい

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治療家になって、幼児、小児、成人、高齢者。痛みから不快感や体質改善まで、今まで多くの患者さんの担当をさせて頂きました。

 かなりの高齢者で腰が痛くなってしまってから寝たきりの状態が1週間ぐらい続き、車いすで来院されて、状態が悪いので、汗をかきながら10分程度の治療を行ったら、次の日には歩いてきてびっくりしましたね。

 

 治療家になってからずっと見続けていて、身体の状態だけではなく、家族の状態もずっと知っている患者さん。家族同士の交流にもなり、楽しませてもらっている患者さん。

 

 軽い問題だと思って、すぐによくなるだろうと思っていたのに、変化が出せずに1度しか来院されなかった多くの患者さん。

 

 改善したとしたら、何故、改善できたのかを考え、継続しているのであれば、何故、継続しているのかを考え、一回だけしか来院しなかったのであれば、何故、一回だけだったのかを考えるのが次へ進むステップだと信じて、考え続けます。

 

 患者さんには人それぞれにストーリーがあり、症状が出たまでの経緯やそれまでの人生の話をする人もいれば、生活や趣味についての話を多く聞かせてもらい、こちらの知識が高まります。

 

 治療はPDCAサイクルをしっかりと身につけ改善をしていくことが大切なので、P(計画)、D(実行)、C(評価)、A(改善)を意識して、考えていくことが重要だと思います。

 

 全ての症例は反省をするべきものですが、胸の奥底で謝らなければいけないと思い続けている人もいます。

 

 その方は、かなりの高齢者で滑舌(かつぜつ)があまりよくない、田舎の方の患者さんです。

 

 今なら言えます。

「すみません。話をしていることが全く分かりません。」

 

 日本には方言がありますが、標準語を扱える人も多いので、通常は標準語で話をすることが多いと思いますが、その方は、全く分かりませんでした。方言が強い地域の人同士の会話は分からないと言われることがありますが、全く分かりませんでしたね。

 

 強い方言しか話さない人は都内ではほとんど対応することがないですが、次に見る機会があったら、やはり分からないだろうなと思いますね。こうなると外人への対応と同じなので、身振り・手ぶりから状況を推測して治療をするしかないですね。

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