緘黙(かんもく)は、子どもに発生をしやすい物ですが、大人でも発症することがある物で、発症するとよくなるまで時間がかかると言われています。
緘黙は、発達の遅れによって発症する物や統合失調症などによって発症する物もあるので、治療は難しい物が多いと思います。私自身は緘黙に対しての治療はしたことがないのですが、気になって調べたときに、東洋医学に関する情報が少なかったので、考え方を書いてみたいと思います。
治療を受けようという人や治療をしようとする人の参考になればいいかなと思います。
緘黙に関しては、このブログに辿り着いた方は知っていることが多いと思いますので、緘黙に対する分類や内容は除きます。
緘黙は、話すことが出来るのに、特定の場面だけで話せなくなってしまうので困る場合があると思いますが、精神的な原因も考えられるので、治療をする側は相手が話せなくてもコミュニケーションが取れるように、痛みを感じたり、響きを感じたりしたら手を挙げてもらうなど、言語以外のコミュニケーションも考えておくことが必要だと思います。
問診は難しい部分があるでしょうから、チェックを付けるだけの予診表も用意しておくと、身体の状態を把握しやすいと思います。
緘黙と同時に、咽喉頭異常感症という喉に詰まりが発生しているようで、話したくても話せないという状態なのであれば、東洋医学では梅核気が発生している状態であり、肝鬱と湿によって発生しているというのが分かるので、喉につまり感がないのかを確認しておくことが必要だと思います。
東洋医学では身体に気血が流れていると考えているのですが、喉の気の巡りが停滞し、水が停滞しているようであれば、梅核気が発生をしてしまいやすいと考えられます。肝鬱はストレスによって発生をしやすいので、ストレスの軽減と食生活をさっぱりした物にしていくと湿の発生を防げるので、生活指導として必要になると思います。
環境の変化というストレスが原因で発生をしたのであれば、環境の変化を無くすというのは難しいので、ストレス対処が出来る力をつけていかないと言えますね。
湿の傾向がある食事は、油っこい物、味が濃い物、甘い物になります。お腹の調子がよくないと湿を発生させてしまうこともあるので、お腹の調子を整えておくことも大切になります。
お腹の働きは東洋医学では脾胃の働きとして考えられており、脾に関係する経絡は舌にも繋がっているので、脾が原因で発生をしていることもありますね。
恐怖を感じやすいという傾向にあるのであれば、腎と関係をしやすく、腎に関係する経絡は舌にも繋がっているので、言葉を発するのが難しいという状態になることがあります。例えば、あまりにも恐怖が生じると言葉を失うというのがありますが、これは腎の機能に影響を与えたことによって生じる物だと考えることが出来ます。
不安があるというのは、心、脾、腎にも関係をする物で、心の経絡も舌に繋がっているので、病能としては複合している可能性もあるので、どの臓を中心で治療をするのかを考えていく必要もありますし、治療をしながら、確認していくことも必要だと思います。
緘黙を生じている人、家族も辛いでしょうから、早くよくなりたいと思う気持ちがあるでしょうけど、だんだんと改善をしていくものなので、見守るというのも必要だと思います。
治療者は緘黙症の人の「理解者でいたい」という姿勢を持つことも大切なのではないかと思います。
緘黙で悩まれている方は、なかなか改善をしなくて辛いという思いを持っている方もいるかと思いますが、東洋医学での治療も簡単にはいかないと思いますが、治療としての考え方はありますし、精神的に辛い状態でも身体が楽になると、精神も元気になっていくことがあるので、相談してみてもいいのではないでしょうか。
病院、治療だとなると、本人も直さなくてはいけないと感じて、辛くなってしまうかもしれないので、本人の気持ちも尊重してあげることも必要だと思います。