整体とは何か?―東洋医学の整体観

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 東洋医学では、身体は自然と一体であり、人体は臓腑・経絡のつながりによって成り立っているという考え方を整体観といいます。

 整体というと、一般的にはマッサージ・リラクゼーションサロンで使われている言葉になってしまうので、東洋医学は整体だと言っても、なかなか理解しにくいところがあるかもしれませんね。

 

しかし、東洋医学は身体に対する観察の結果から身体の成り立ちや治療を考えているので、しっかりとした整体観を持っています。整体観がどのように成立してきたのかは、しっかりと理解をしていかなければいけないところなので、これから説明をしていきます。

 

1.東洋医学の基本

 東洋医学では、自然や人を観察し続けることによって、その成り立ちや存在について考え、自然や人とは何かというのを懸命に考え続けた結果、得られた知識体系です。

 

 自然や人は、完全に理解することは難しくても、存在としてあり続けている物になるので、そこには何かの力が加わっているだろうということで、「気」の思想を中心にすえ、万物の存在する理由を「気」と表現しています。

 

 「気」という言葉を使用すれば、「人が生きているのは気があるから」「人が死ぬのは気がないから」という文章を作ることができるので、文章として成り立つことになります。ただ、これだけだと文章として成り立つのは事実ですが、「気」だから仕方がないになってしまって、身体を理解することから遠ざかってしまいます。

 

 一つの解にたどり着いたら、どうやったら理解できるかを考えていくと、分類をしていくことが大切になるので、東洋医学では物事を2つに分ける陰陽論を使用します。2つに分けることができれば、治療も何かを試して駄目だったら違う方を選択できるので、「気」だけでより考えるよりも応用力が出来てきます。

 

 2つに分けるのであれば、もう少し細分化して分けたらいいのではないかと考えられるので、三才という3つ、五行という5つに分ける考え方を使用して、身体を理解していくことができます。さらに陰陽と三才を組み合わせれば6になりますし、陰陽と五行を組み合わせれば10になります。

 

 あまり多くの情報だと管理をするのが大変ですが、10前後の数であれば把握をしやすいので、東洋医学で使っていく分類も10前後に落ち着いていきます。

 

 これが身体を考えることで大切になるのですが、では身体はどうやって存在しているのかと考えると、身体には複雑な構造があり、自然の影響を受けるので、それぞれについてもまとめてみたいと思います。

 

2.人体は有機的なつながりを持つ

 人体は、外から見るだけでも手足、体幹、顔というパーツに分かれていますし、詳細に見ていけば、顔には目・耳・鼻・口があり、口の中には歯・舌という構造物が存在しています。

 

 身体の構造は陰陽や五行を用いて分類していくことができますが、一つ一つの物が独立して存在をしていると同時に、相互に影響を与えながら存在しています。

 

 例えば、目でみた情報は頭で理解し、言葉として発することができるように、一つの情報を複数の構造で受け止めていることになるので、一つ一つの構造がつながりを持って存在しているのが人になります。

 

 このように構造物が繋がっているということは、繋げる何かがないといけないですが、東洋医学では臓腑・経絡が繋げる役割があり、一つ一つの臓腑・経絡は相互に補完し合いながら、協調して働いていることになります。

 

 ということで、人は臓腑・経絡という機能によって様々な構造物が繋がっているというのが東洋医学の基本の考え方になるので、「人体は整った体をしている」と言えます。

 

 例えば、腰や肩に問題があったとしても、常に全体のバランスを考えて整えていくことが治療に取って大切になるのが、東洋医学の整体観になります。

 

3.人体は自然と関係をしている

 天気が崩れると調子が悪くなるという人がいますが、健康な人も自然の中で生活をしていることになるので、自然という外的環境の変化は身体に影響を与えるというのが基本の考え方になります。

 

 もっと広く言えば、人は自然・宇宙の中で生活をしているので、自然や宇宙(太陽など)の影響を強く受けることになります。宇宙は様々な星が何かの繋がりがあって、宇宙という存在が成り立っているので、人も同じように様々な構造が繋がり成り立っているので、人体は小自然や小宇宙であるという言葉も使われていきます。

 

 元気な人でも天候が良ければ気分が晴れやかになりやすいですし、天候が悪ければ気分が落ちやすく、体調が悪くなってしまうことがあるので、人と自然は一体と言えますね。

 

 急に冷え込んで体調を崩したというのも、人と自然が一体であるために、自然の影響によって身体が変化を起こしたということになるので、治療の中でも自然のことを考えることが大切になります。

 

 ただし、本当に細かく取り入れようとすると、宇宙や自然の力を考えて利用しないといけなくなるので、かなり複雑な要素が多くなりますし、未知の物が多くなるので、なかなか難しいところだと思います。

 

 一応、東洋医学は東洋哲学をベースにしていて、東洋哲学は陰陽・五行を応用して、日時を考えていくことができるので治療に応用しようと思えば使用していくことも可能です。

 

4.まとめ

 東洋医学で整体観を持ちますが、これは人体が自然と一体であり、身体の構造は一つとして成り立っているということになります。言い方を変えれば、東洋医学は全身と関係をする臓腑・経絡を利用して治療することにより、身体を整える(整体)ができると言えます。

 

 整体観の概念というところを理解するのは少し難しいかもしれませんが、臓腑・経絡を使って、身体を整えるというのは、東洋医学を学んでいる人に取っては当たり前のことなので、自然と整体をしているとも言えますね。

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