鍼灸治療後に身体がだるくなる理由

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 鍼灸治療を受けると身体がだるくなった経験を持つ人もいるのではないでしょうか。マッサージや整体を受けてもだるくなるという人がいるでしょうが、だるくなったのは治療が悪かったわけではないことが多いです。

1.鍼灸の治療効果

 鍼灸の治療は、身体の状態にあったツボに対して鍼や灸で刺激を行っていく方法で、受けた刺激を身体が受け止め、自律神経に働きかけることになるので、身体はいろいろな反応をしていきます。一番分かりやすいのは血流がよくなるので、症状がある場所、全身に影響が及びます。

 

 痛みだけではなく、いろいろな症状に対して鍼灸が効果的なのは、治療したところだけではなく、自律神経を介して全身に影響が及ぶからですね。鍼灸治療では個人差があるので、変化が出にくい人もいますが、継続して治療をしていくと、何となく調子がよくなるという人も多いですね。

 

2.鍼灸でだるくなる理由

 鍼を刺した時にだるく感じるのは、響きという鍼が刺入したときに感じる感覚の場合がありますが、この響きは身体に取っては悪い物ではないと考えていけるものですが、苦手な人、きつく感じるときは、担当している鍼灸師に言っておくと、鍼を操作して軽減させてくれますよ。鍼灸師によっては、この感覚がないと治療効果がないと考えている人もいるので、治療のやり方によってはそのままでいて下さいと言われることがあります。

 

 鍼灸治療は自律神経に作用して全身の血流状態の変化を狙って行っていくもので、東洋医学的にはツボを刺激することで全身の気血の流れがよくなり、身体全体が変化していくのを狙っています。

 

 例え、鍼を1本しか刺さずに、全身に鍼をしていなくても、鍼の刺激は全身に作用していくので、鍼の本数によってだるさの軽減がある訳ではないですね。ただ、鍼や灸を刺激として考えると、数や時間が長い方が刺激としては強い傾向にあります。

 

 鍼をすると身体の血流がよくなるので、状態としては運動した後と同じような状態になります。運動をしたわけではないので、急にだるくなったと思うかもしれませんが、身体にはそれだけ大きな変化が生じているので、身体がだるくなるのは治療の刺激に反応している状態になります。

 

 他に例えるのなら、温泉にのんびり入った後のような状態ですね。温泉に長く入っていると、水が身体を圧迫するのと、温かさによって血流がよくなるので、血流がよくなり、汗もかきますよね。これも運動をした訳ではないですが、運動した後と同じような状態になるので、すっきりしたけど、だるさや身体の重さを感じますよね。鍼灸治療も同じように、全身の血流に影響が及ぶので、だるくなることがあります。こういった話は以前のブログにも書いてあるので参考にしてみて下さい。

鍼治療後の運動は注意が必要です

 

 

3.身体がだるくなるのは効果がある証拠?

 身体がだるくなるのは、血流が増え、運動をしたような状態になるからですが、人によっては何も感じない場合があります。鍼灸治療を受けたことがないような人だと、鍼灸治療をすると、身体に大きな刺激が入るので、だるさも強くでやすい傾向にありますが、継続して受けている人は、だんだんと感じなくなることがあります。

 

 鍼灸治療では、治療後のだるさや不快感などは瞑眩(めんげん)という言葉で言われ、好転反応だとするのですが、あまりにもだるさが強くて数日間も抜けずに、体調が落ちてくるようであれば、刺激量が多かった可能性があります。

 

 身体は個人差が非常に大きいので、初めての場合であれば、軽めに治療をして瞑眩が発生しても短くなるように考慮することが多いのですが、長く続く場合は、鍼灸師に相談すると今後の治療に役立つことになります。

 

 治療を受けている人では、治療後にだるさが出たりしないと受けた感じがしないというので、刺激量を求める人もいますが、あまりに多い刺激量だと、いい状態に変化しにくいので、治療や体質改善を狙う場合は、鍼灸師に相談して、ある程度任せた方がいいですよ。

 

 例えば、運動は身体にいいと言われますが、激しい運動はよくないですよね。食事も身体を作るために大切な物ですが、食べ過ぎれば生活習慣病になってしまうので、物事には適量があります。

 

4.だるくなるのが感じなくなる?

 継続して治療を受けていくと、身体の状態が変化していくことが多いので、最初は凄くだるかったのが、だんだんと治療後のだるさが少なくなり、調子がいいときは、治療後はすっきりしたという人が多いのですが、毎回だるさが生じる方もいます。もちろん、治療方法によっては刺激がかなり強いことがあるので、刺激量が原因のこともありますが、体質によっても違いがあります。

 

 鍼灸の刺激に敏感に反応する方の場合は、だるさが生じやすく、次の日、数日後にすっきりするという場合があります。私の診ている患者さんでも治療後にすっきりしたという人もいれば、治療後は凄くだるいという人、終わったときには何も感じないけど、次の日になると凄くすっきりしているという人もいるので、体質によっても違います。

 

 普段の生活では、時間に追われ忙しくしているので、身体に対する感覚がないですが、治療は日常生活から離れて別の時間になるので、余計に身体の感覚を感じやすい可能性がありますね。

 

5.まとめ

 私個人の経験では、初めてマッサージや整体を受けた時、初めて鍼灸を受けた時は、治療後は何もできないぐらいに身体がだるく、凄く眠たくなりました。治療を受けた後はそのままダラダラと寝て過ごして、夜もぐっすり寝て、次の日には爽快になったのはよい思い出ですね。

 

 今は、自分で鍼が出来るし、仲間にもやってもらうので、治療を受けてだるさを感じることは、ほぼないです。自分で鍼が出来るので、日常的に治療をしているからでしょうね。

 

 治療を受けているときは、うとうとと眠くなることが多いですが、治療が終わると、すっきりとして、身体が爽快に感じることが多いので、最初は治療を受けるのが怖く思うときもありますが、今は治療を受けたいと思うことが多いですね。

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