格安マッサージ店は至るところにできていて、遅くまでやっているところは、結構な人が入っていることがありますが、実際のところはどうなのでしょうか?
1.マッサージとは
マッサージという言葉は、「あん摩マッサージ指圧師」という国家資格があるので、3年間専門学校に通い、国家試験に合格した人のみが得られる資格になり、マッサージと言う用語は資格を持っている人がいないとつけることができません。
格安マッサージ店は、「もみ」「リラクゼーション」「ほぐし」という言葉を使うことで、「マッサージ」を意識させながらも、「マッサージ」ではないというのを強調しているので、人気が出ると、似たような名前を付ける飲食店と同じような物ですね。
2.格安マッサージ店で働いている人はどんな人?
これは店によっても違いがあるでしょうが、本当にいろいろな人がいるので、コンビニなどのバイトと同じようだと思っておくといいでしょうね。年を取った人もいますが、体力を使う仕事でもあるので、若い人が多い傾向にありますね。
マッサージの資格を持った人も働いている場合もありますが、ほとんどは資格を持っていないので、働くときに練習して現場に出ている人がほとんどです。資格者が何故いるのかというのは、この業界だと正社員で働くには、整骨院・整形外科などが多いですが、勤務時間が長く、週で5.5日勤務なので、格安マッサージ店の方がシフトで勤務しやすい傾向にあるからです。
格安マッサージ以外にも、資格者のマッサージ並かそれ以上を取るようなお店もありますが、そういったところは、サービス、店内に拘りを持って営業しているので、エステの一般版とも言えるものですね。こちらで働いている人も同様に、いろいろな人がいる傾向にあります。
こういったところの雇用形態は、正社員の契約を結ぶところもあれば、業務委託の場合もあるので、店舗、人によって違いがあります。業務委託は、やった分だけ支払がされる形なので、沢山のお客さんを捕まえられるような人にはいいですが、そうでない場合は、給料は安いけど、勤務時間だけが長くなり、社会保障や労働基準法から外されやすいです。
業務提携でしか雇用しない場合もあるようですが、このケースだと、会社としては毎月一定額の社会保険料を支払う必要がなく、従業員は稼がないと収入にならないので、個人が勝手に頑張るという姿勢を作り、伸びて行くことが出来るので、一概に悪いという訳ではないのですが、保証という面では悪い部分があります。
技術が身に付けられると思ってバイトをしてみたら、資格・知識の問題があるというのに気が付いて、資格を取得していくという人もいますね。
3.格安マッサージ店の腕はいいのか?
格安マッサージ店に限らず、腕の技量は、その人のセンスと努力の賜物なので、いい人はいいし、悪い人は悪いとしかいいようがないですね。資格者は基本的な知識と手順は習っていきますが、個別に合わせたものは、現場で身に付けていく物なので、センスが良く、考えながら触っていく人は上手くなるのが早いです。
センスがなくても、経験でカバーできることが多いですが、この場合も同様に、考えながら触っていかないといけないので、考えながらやる人は上手いのは間違いないですね。センスがなくても、一つ一つ考えながら丁寧に行っていくような人はリラクゼーションのようなマッサージでは非常に心地良いので、腕がいいか悪いかは見た目だけでは分からないところですね。
予約が多く埋まっている人は、腕かコミュニケーション能力が高い場合が多いので、氏名数が多い人を訪ねて予約をするのも一つの方法でしょうね。もちろん、その場合は、自分の希望する時間で予約を取れないことが多くなってしまいますけどね。
身体を触るのには腕だけではなく、知識も必要になっていきますが、知識の面は、リラクゼーション系の人達は非常に弱い傾向にあります。もちろん、勉強は個人でいくらでも出来るので、資格者などよりもはるかに素晴らしい知識を持っている人もいますが、少数ですね。
そのために、リラクゼーション系では治療はせずにマニュアルに沿ったところを触っていくことが中心になっていってしまいます。経験があれば幅が広がっていくのですが、個人の特色が強く出過ぎてしまうと、お店の中でやり方が統一できないですし、辞めてしまった場合にお客さんも離れていってしまうために、格安マッサージやリラクゼーション系では、基本は全員、同じやり方です。
格安マッサージ含めリラクゼーション系は、フランチャイズのことも多いので、しっかりやっているところはしっかりしていますし、ダメなところはダメな傾向があるので、看板だけで評価していくのも難しいところですが、本部マニュアルが中心なので、基本は大きな違いはないですね。
4.マッサージ業界として格安マッサージ店はどうなのか?
マッサージを行えるのは、医師の指示の下での理学療法士、あん摩マッサージ指圧師しかできないとされていて、しっかりと手順まで踏まえて練習しているのは、あん摩マッサージ指圧師しかいないのですが、理学療法士、柔道整復師、鍼灸師などの資格者もマッサージをしている現状にあります。
治療院を開くときに、マッサージなどの手技を取り入れる人も多いので、結局、資格者も無資格者もマッサージを利用していることが多いですね。そういった中に、無資格の格安マッサージ、リラクゼーション、エステもあるので、「揉む」という分野は結構なレッドオーシャンの状態になっています。
治療院を経営していたけど、格安マッサージ店が出来たことで、お客さんが減ったという話しも聞きますし、治療院にプラスして格安マッサージ店を出したら、経営が上手くいっているという話しもあるので、業界としては一長一短のところがあります。
今までマッサージなどを受けたことがない人が、受けてみることで楽にはなるけど、よくはならないというのに気づき、本格的なところに行くという流れもない訳ではないので、業界のすそ野を広げている役割はあるのではないでしょうか。
格安マッサージ店にお客さんを取られてしまう治療院は中身がないということにもなるので、治療院業界の尻を叩くという部分もありますね。
5.無資格が広がったままで危険ではないのか?
身体に関わることなので、安易に素人が手を出してしまうと危険性もありますが、治療ではないという理論でいけば、誰でもいつでも格安マッサージ、リラクゼーションのお店を出せるというのは危険な状態ですね。
消費者庁もリラクゼーションなどでは危険を伴うという注意を出していますが、資格者も一緒に含まれて出てしまっているので、あまりにも放置の状態が続くと、国が認めた資格者にも不利益になってしまうことがあり得ます。
資格者でも、事故に繋がってしまうことがありますが、事故の起こる確率は、資格を持っていない人の方が多いですが、「マッサージ」という視点になってしまうと資格者も多く含まれてしまうのではないでしょうか。
上記で書いたように、資格としてしっかりと学習するのは「あん摩マッサージ指圧師」だけなのですが、理学療法士、柔道整復師、鍼灸師も行っていることが多いですからね。理学療法士は病院の中にいるので、注意をしながら施術をしていくことが多いですが、柔道整復師は町の中にあり、自分で歩いて来られるような元気な人を対象にしていますし、昔からよくマッサージを行っていますが、しっかりとした技術習得マニュアルがないので危険だなと思うこともあります。
もちろん、資格の問題ではなく、個人の問題と言うのが大きいのですが、傾向としては危ないなというのはありますね。鍼灸師も危険と言えば危険なのですが、柔道整復師よりはちょっとましかなという印象ですね。
柔道整復師の団体は、外傷後の後療法だということで「マッサージ」という言葉を使わずに、「マッサージ」をするのを是としていますが、資格の基本に立ち戻っていく方が、地域に根差し、強くなるのではないでしょうか。
この業界はいろいろな問題を含んでいるので、個人、資格者、団体では制御しきれない状況になっているので、本来であれば国が主導して整理した方がいいですね。ただ、国としては大きく動けば、必ず反発もあるし、訴訟を起こされて負けてしまえば身動きが取れなくなってしまうので、小手先の動きではなく、法を修正するところから動かないと難しいでしょうね。
日本のこの業界で働いていた人が海外で仕事をするときに、同じ仕事から入った方が働きやすいので、マッサージ系を行う場合がありますが、先進諸国だと、マッサージ系は国の認めた機関で一定期間の講習がある場合が多いようなので、こういった形になると少しはまともになっていくのではないでしょうか。
今後だと、外国人で働き口がないから、適当な揉み屋を経営すればいいという考え方でお金がある人が店舗を借りて外国人を雇うような形にし、安く働かせるようなことをすることもありそうですね。そうなっていくと、相場の料金が崩れるだけではなく、万が一の事故が起こってしまったときに、自国に戻って逃げられてしまえば、一つしかないカラダが壊れてしまう可能性もありますしね。
私もいろいろなところに入ってみた経験がありますが、接客は日本語だけど、店内は別の言語、奥の方に沢山いるような雰囲気のところもありましたね。一棟全部店舗や店舗と住んでいそうだなというのも感じたことが多々あるので、既にそういった状況になっている可能性もありますね。
6.まとめ
いろいろと書いていったらよく分からなくなってしまいましたが、格安マッサージなどの無資格が増えることで、市場の開拓が行われますし、やっぱりダメだという思いになるのであれば、資格者の優位性も出てくるので、資格者が危機感を持ち、しっかりしていくという点ではいいのでしょうが、それだったら資格を無しで働けば収入になるし、支出が少ないという視点で考えれば、日本の身体に触る国家資格って何なのだろうかという部分がありますね。
一個人が何を言っても変わる物ではないですし、社会の中では、与えられた環境を上手く利用しながら、自分の技術・知識を伸ばしていくのがいいでしょうから、結局は、自分は自分のやるべきことを一つ一つ伸ばしていくしかないでしょうね。