鍼灸の治療の仕方を考えていくときに、どうやって学んでいくのか悩む人が多いのではないでしょうか。私自身も、勉強を始めてからどうやって治療の勉強をしようか悩んだ時期があり、いろいろと調べながら勉強しました。
鍼灸の流派はいろいろなところがあり、詳細を読んでみても分からないことが多いのではないでしょうか。そこで、私の独断と偏見でまとめてみます。小さな流派から数百人の流派といろいろありますが、名前がよく出てくるところを中心にしています。
1.古典鍼灸研究会(付脉学会)
脈診を使った治療で、人迎気口という独特な脈診法と、選穴法があるようです。鍼は接触から浅鍼。古典含め勉強している印象。
2.北辰会(ほくしんかい)
中医学の知識を使って、治療は1穴。複数穴を用いるときもあり。初診の問診は60分以上かけることもあり、東洋医学的な知識が豊富。
3.積聚会(しゃくじゅかい)
腹部の圧痛を指標としながら、身体に接触鍼を用いて治療。学校教育用に考えられたので手順はシンプル。
4.新医協東京支部鍼灸部会
治療の型という定義が難しい。いろいろな物が混じっている印象。
5.鍼灸経絡研究紘鍼会
名前はよく見るのですが、見たことなかったです。経絡治療と腹診が特徴のようです。
6.東方会
いろいろな接触鍼を使い分けるやり方で治療。
7.漢方鍼医会
東洋はり医学会から分かれたもので治療は経絡治療。漢方の理論を使う。
8.漢法苞徳会(かんぽうほうとくかい)
こちらも見たことないです。故八木素萌先生の治療を学ぶようです。
9.和ら会(やわらかい)
触り方やツボの形状を分類することで治療を決定するようです。真和塾とも。任督中心療法と呼ぶらしいです。
10.日本刺絡学会
刺絡講習会を行って、刺絡技術の教育、普及を行っています。
11.東京九鍼研究会
様々な道具の扱い方を学ぶ。
12.東洋はり医学会
脈診流経絡治療。視覚障害者の先生方により作られた経絡治療ですが、晴眼者も参加。海外でのセミナーも行っている。流派としては大きい。
13.経絡治療
戦前に作られた。流派の中では古いので、ここからの分派も多い。『難経』六十九難を用いた治療を行う。夏休み期間に行われる夏期大学がある。
14.日本伝統経絡鍼法会
こちらも見たことないです。特定経穴と特定経絡との関係から治療を行う。
15.長野式臨床研究会
故長野潔先生が作った治療で、現代医学と東洋医学を組み合わせた治療で脈診が基本。
16.Kiiko Style 研究会
アメリカのボストンで活躍している松本岐子先生が長野式の脈診法を腹診の圧痛に置き換えたもの。独自理論もあり。
17.wkey長野式研究会
16と分かれたもの。
18.良導絡
経穴を良導点、経絡を良導絡とし、皮膚電気抵抗を使って診断・治療を行う。
19.日本中医学会
学校の東洋医学概論や東洋医学臨床論の科目で習うような知識と弁証を使ったやり方。一般的に中医学というと中国のやり方だが、日本流にアレンジしている人もいる。
ざっとまとめてみましたが、いろいろありますね。脈診、腹診、電気など様々なやり方があります。経絡治療系は知識を共有しやすそうですが、他は長野式系だと知識を共有して使えそうですね。
流派は、その会独自のやり方や考え方を学ぶ必要があるので、初級者コース、上級者コースなどに分かれていることが多いです。一度、見てみたいという場合は、日本伝統鍼灸学会や全日本鍼灸学会の学術大会で流派の紹介をしているときがあります。