タバコの害を東洋医学的に考える

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 タバコは害があるものとして有名なものですが、東洋医学で考えるとどういった作用が身体にあるのでしょうか。

 タバコは煙を吸う行為になり、熱性のものを摂取するので燥邪と考えることが出来ます。煙は熱によって生み出されたもので、熱の作用があると考えられ、火や灰ではなく、煙という気体になってしまうので、熱の中で陽気が強いと言えます。陽気が強いので、陰気を損傷させやすい乾燥が中心の働きになります。

 

 乾燥性が強い燥邪として考えると、燥邪は肺を損傷させやすいと言われるので、肺の機能低下を起こして、咳嗽・喘息などを発症します。そういったことを考えると、何故、燥邪は肺を損傷するかを考えないといけないです。

 

 肺は水の上源とも言われ、水がしっかりと溜まっていて機能をするところになります。例えば、ウォーターサバ―の水が入っている状態が肺の正常状態になります。乾燥するということは、水がなくなるのでサーバーだったら交換できますが、肺は交換することできないので、乾燥させてしまい、水が不足して肺の病証が発生してしまいます。

 

 タバコは燥邪で肺陰損傷になるので、長期にタバコを吸うと肺陰虚を発生してしまうと考えられます。水が不足すると流れも悪くなってしまうので、水の流れが悪くなり発生をする痰湿も関係をしていきます。

 

 よくタバコを吸っていると咳が出ると言われますが、痰が絡まないでコホコホという音だけの咳の場合は、燥邪によって肺水が不足して肺の病証が出ることになります。痰が絡むような状態は、燥邪によって肺水が不足して痰湿が発生をしてしまった状態と考えられ、その場合は咳嗽(がいそう)になります。咳はコホコホという音で、嗽は痰が出るということなので、複合した病能になります。

 

 肺は身体に水を循環させている働きがありますが、肺水が不足をしてしまうと、身体の水分の不足が生じてしまいます。肺は皮毛と言って、身体の表面と関係をしているので、タバコを吸っていると、皮毛の水分が不足をし、肌の乾燥が生じてしまいます。

 

 乾燥がひどくなく見えても、水は滋養する働きがあるので、肺水が不足をすると肌の状態が悪くなりやすいです。美容にタバコは大敵と考えられるのは、この肺水不足により、皮毛が滋養されないためになります。

 

 肺は他には鼻とも関係をするので、鼻水が出やすくなったりすることがあります。タバコを吸うことによって呼吸を大きくするので、粛降の働きを強めることもあり得ますが、肺水が不足をすると便の形成にも問題が生じることがあるので便秘になることがあります。

 

 燥邪によって肺を損傷すると、鼻・皮毛が弱くなることがありますが、鼻・皮毛は外邪の新入を防ぐ場所でもあるので、外邪に身体がやられてしまいやすくなります。簡単に言えば、風邪をひきやすくなると言えますね。

 

 長期に渡ってタバコを吸っていて、年と共に風邪をひきやすくなってきているようであれば、鼻・皮毛の損傷があると考えられるので、身体をしっかりと休める、気血の生成を促す、タバコをやめるというのが必要になります。

 

 タバコは煙を吸うということでは、燥邪を身体に入れるので危険なことだとも言えるのですが、お灸も煙が発生をして、治療でお灸を使っているのであれば日常的に煙を吸っているので、燥邪を取り入れていることになりますね。

 

 煙を吸うということではお灸もタバコも同じですが、タバコを吸うと肺に直接、煙を多く取り入れるので危険と言われますが、お灸を沢山する治療院に一日中いれば、燥邪を取り入れているともいえますね。

 

 お灸をし続けていると、煙が発生して、治療院にいても目が痛くなることがありますが、これは燥邪によって、目の津液が不足してしまうためになります。朝から夜までお灸を使っていると、だんだん目をあけるのが辛くなるときもあるので、注意しないといけないですね。

 

タバコを吸っていると、津液の不足が日常的に発生をしてしまい、皮毛・鼻に問題が生じ、咳嗽も生じやすくなるので止めた方がいいですね。

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