痰湿の排泄

Pocket

 東洋医学では痰湿の話しが多く出てきますが、水分の停滞が生じている状態を痰湿といい、痰湿は気血津液の運行を邪魔してしまうので、痰湿を排泄させることが治療においては大切になっていきます。

 痰湿は身体のどこにでも存在することができると考えられますね。気血津液の流れが改善をすれば停滞していた水である痰湿も流されてしまうので、消えていくと言えるのですが、病理産物として停滞をして症状を起こしているような痰湿は体内から排泄する必要があります。

 

 肺の働きでは貯痰の器という表現があり、身体の中に停滞をしてしまった痰湿は肺に向っていくことになります。よく咳をすると痰が少しでも出ますが、肺は咳によって痰湿を体外に排泄していく働きがあります。

 

 肺の働きは気の生成と輸送、津液の輸送を行っている臓になります。脾で生成された津液は肺によって全身に送られるのですが、水が多く集まるということは、水のゴミでもある痰湿も多く送られてくることになり、肺に阻滞をしてしまいやすいです。

 

 イメージとしては、肺は小さな穴が開いたバケツであり、脾が肺というバケツに水を入れていくのですが、固形化したものは、穴を通ることができないので、肺というバケツに残ってしまいます。残った物を排泄する働きが咳嗽です。

 

 健常者であれば、痰湿を排泄するときに咳が生じるぐらいですが、咳が出来ない人だと、痰湿が停滞したままになってしまうために、痰湿が喉にたまってしまうので、誤嚥をしてしまい、肺炎になってしまいやすいので、痰湿である痰の吸引が必要になっていきます。

 

 痰湿は他にどこから排泄できるかと言えば、腠理から発汗として出すこともできるのですが、腠理から出すよりは、排泄として出す方が確実になります。

 

 排尿と排便はともに水分を含んで排泄していくものになるので、痰湿は咳以外では二便で排泄をされることになります。治療が終わったあとに、排泄に行きたくなるというのは身体に阻滞している痰湿を出そうとしている状態なので、治療直後の状態としてはいいですね。

 

 痰湿を大便として排泄していくためには、胃の通降を高めていくことにより、大腸の伝導も高まるので、胃に対する治療が重要になっていきます。他には、肺の粛降の働きも排便には関係をしていくので肺への治療も大切ですね。

 

 痰湿を尿として排泄していくためには、水の調節を行っていく臓である肺の働きを高めていくことが重要になっていきます。水の管理調節は腎が行っているので、腎の働きも高めていくことが必要ですね。

 

 痰湿の排泄は脾の働きを高めていくことが大切だと言われているのですが、脾の運化は水の輸送に関係をしていくので、脾の働きが高まれば、水の輸送がスムーズにいくし、痰湿を除去していくことが出来るので、痰湿には脾に対する治療が重要になっていきます。

 

 排泄ということまで考えると、脾の治療だけではなく、肺も高めた方が体外に痰湿を早く除去できるので、脾肺を使った治療をしていくことが大切だと言えますね。

 

 国家試験の勉強では、湿とあれば脾と繋がっていくでしょうが、他の臓の働きを考えていくことが実際の臨床の中では重要だと思います。

Pocket