鍼灸師になるためには、専門学校を卒業して国家試験に合格する必要がありますが、勉強は難しいのでしょうか。

１．鍼灸師になるために必要な条件

　鍼灸師になるためには、専門学校を卒業して国家試験に合格しなければいけませんが、いくつかの条件があります。

• 高卒以上
• 3年間通学すること
• 学費（400～500万円）
• 専門学校の入試
• 専門学校の勉強
• 国家試験

　高卒以上は、高校卒業していればいいですし、高校卒業していない人であれば、高等学校卒業程度認定試験（旧大検）に合格していれば、専門学校に通学することができます。

　鍼灸の資格は鍼とお灸を扱う資格になるので、3年間通学しなければいけないので、時間を作る必要があります。それに加えて医療系の資格になるので、学費は以前よりは安くなってきているようですが、まだまだ他の専門学校よりは高いので、時間と学費は大きなネックになると思います。

２．専門学校の入試と勉強

　以前は、鍼灸師の専門学校が少なかったので入学するのが大変な状況でしたが、現在は学校数が増えているので、入学するのは簡単になっています。ただし、入りやすいからと言っても、最低限のマナーが守れなければいけないので、入試の勉強や面接の対策は最低限しておいた方がいいと思いますよ。

　入試は学校によって違うでしょうけど、小論文や簡単な試験が多いでしょうから、過去問などを教えてくれる場合は、参考にしていくといいと思います。面接は質問に対して答えられることが必要なので、鍼灸師を目指す理由や学校を選んだ理由はスムーズに話せるようにした方がいいでしょうね。まずは入学しようと思っている学校の入試情報を調べた方がいいですよ。

　専門学校の勉強は教科書とカリキュラムに従って行われるので、大学を卒業できるような方や外部の資格試験を受けたことがある人であれば、それほど難しいとは感じないでしょうけど、医療系なので初めて聞く単語が多いので、最初は混乱するかもしれませんね。

　勉強自体の基本は、国家試験に準じて授業と試験を行うでしょうから、勉強がとてつもなく難しいということはないと思います。学校ごとに違いをうたってもいますが、学校卒業のゴールは国家試験になるので、それほど大きな違いはないのではないかと思います。

　鍼灸の勉強が難しいかどうかについては、体験を含めて過去のブログで書いていますので、参考にしてみてください。

「鍼灸学校の選び方」

「鍼灸師・柔整師の資格は専門学校と大学のどちらがいいか」

３．国家試験は難しいか

　国家試験の合格率は新卒であれば9割程度になるので、卒業できる力がついているのであれば、体長不良などがなければ、ほぼ合格するレベルです。学校を卒業できる能力は、どこの学校でも国家試験に合格できるレベルを目指しているはずなので、卒業が危うい人は国家試験も危ういですね。

　合格率が高い学校は、国家試験を合格させることを重視しているので、卒業に関してはシビアになると思います。逆に国家試験の合格率が低い場合は、国家試験に合格できる力がなくても卒業をさせている可能性が高いので、自分で勉強する必要があります。

　国家試験は卒業後すぐに受験すれば9割は合格する資格ですが、卒業して1年、2年経つと、極端に合格率が下がります。鍼灸師の合格率が全体で70％台になっているのは、既卒の合格率が10～20％になので、全体の合格率を押し下げているからですね。

　はり師の第1回国家試験は全体の受験者数が2363名で合格率が88.7％ですが、平成28年に行われた第24回国家試験は全体の受験者数が4775名で合格率が73.4％になっています。全体の合格率は減少傾向ですが、学校が増えたことによる学力の低下や、既卒の合格出来ていない人が増えていっているので押し下げる原因になっているのではないかと思います。

　データがあるところを見てみましたが、例年新卒が約4000名受験して400名が落ちていますね。落ちた人が次の年に受かる確率を2割とすると、320名が不合格のままなので、毎年、既卒が増え続けることになりますね。受験者数が大きく変化をしていないので、受験を諦めるか、何年かに一度にしているのですかね。

　数値を見てみると既卒はかなり厳しいので、新卒で何としても合格したいところですね。学校を選ぶ際は、過去数年の合格率の推移を見ると、学校での学習状況がわかりますよ。国家試験についてはこちらのブログでも書いているので、参考にしてみてください。

「鍼灸師の国家試験は1回で合格することが大切です」

「鍼灸師の国家試験の難易度と勉強時間はどのぐらい必要か」

４．まとめ

　今まで全く勉強をしたことない人は大変に感じるかもしれませんが、学校での教育があるので、資格を取得するための勉強はコツコツやっていれば、心配はないですよ。