東洋医学を勉強し始めていきなり意味が分からなくなるところはいろいろありますが、虚熱と陰虚、虚寒と陽虚もかなり難解なものになると思います。
慣れてしまえば、当たり前のように使えるのですが、慣れるまではどっちがどっちだったのかがさっぱり分からない単語になりますね。私も最初に聞いたときは理解した気がしたのですが、次に見たときには何を言っているのかさっぱり分からなくて、完全に理解するまで時間がかかりました。
陰虚と陽虚は暑がり・寒がりというのと一致していくことが多いので、暑がり・寒がりについて東洋医学で説明する用語として陰虚と陽虚と言っています。身体は陰気・陽気のバランスによって成り立っていて、陰気が寒の力ということで、陽気が熱の力ということで、正常なバランスになっていれば暑くも寒くもない状態になります。
陰気・陽気というのが不足をしてしまうと身体の寒熱バランスが失調してしまうために、暑がりや寒がりという状態になってしまうというのが陰虚・陽虚に関する話になります。ここまで読んでもらうと陰虚と陽虚については理解が出来ると思います。
外の気温が寒い状態は陰気が強いので、身体の陰陽バランスが整っていても外の陰気によって身体が冷やされてしまうので、この状態は陰実と表現をして、陰実に対応するために、陽気という熱を足すために、洋服を重ね着したり、厚手のものに変えたりすると思います。
外の気温が熱い状態は陽気が強いので、身体の陰陽バランスに対しては、外の陽気のよって身体が温められてしまうので、陽実と表現をします。陽実に対しては、寒を足すことが必要なので、冷房や冷たい物を摂取することによって陰気を増やして対応することになります。
こういった陰虚と陽虚に関してまだ知りたいと言う方は、こちらのブログで詳細に説明をしているので参考にしてみて下さい。
陰虚と陽虚という表現に関しては、違う意味で捉える人もいるので、陰虚と陽虚が理解出来た後に、こちらも読んでみて下さい。
ここまで読むと陰虚と陽虚については何となく理解をしたと思うのですが、陰虚と陽虚には別名があります。例えば、人も名前が付いているだけではなく、あだ名や呼び名があると思いますが、陰虚と陽虚にも違う言葉が存在します。
この違う言葉が虚熱と虚寒という表現になるのですが、虚熱・虚寒という表現は、八綱弁証で使われてくる表現になります。今まで学習したことに違う内容が加わっていき、呼び方も違うので、東洋医学を学ぶときに混乱をしやすいのですが、一つ一つをしっかりと理解をして繋げていけば、簡単なことなので、虚熱と虚寒についての説明をしていきます。
八綱弁証に関して細かく見たい方はこちらを参考にしてください。
「八綱弁証」
東洋医学では身体の状態を判断するために、虚実という二つの単語を使っていくことが多いですが、身体の持っている力が弱い場合を虚、身体に何かが停滞している状態を実と表現をしています。虚実に関しての基礎はこちらのブログを参考にして下さい。
虚熱と虚寒という表現は、“虚熱は身体の持っている力が不足をして熱がある”というのを現していて、“虚寒は身体の持っている力が不足して寒がある”というのを現しています。このことから考えると、身体の寒熱バランスは陰陽と言う言葉で表現を出来たので、“虚熱は身体の持っている力が不足をして熱がある”ということなので、“身体の冷やす力が不足をしている陰虚”の状態とつながります。
同じように“虚寒は身体の持っている力が不足して寒がある”ということなので、“身体の温める力が不足をしている陽虚”の状態とつながります。身体の状態に関しては同じなのですが、考え方が少し違うので、理解をして知識がつながるまで時間がかかるものになります。
こういったことが理解を出来ると、虚熱は陰虚、虚寒は陽虚というように頭の中で繋がっていくのですが、繋がるまでは時間がかかるものなので、最初は、虚熱は陰虚、虚寒は陽虚と覚えてしまって、その後に理解をしていく方が混乱をしにくいと思います。
何て紛らわしいのだと思う人がいるかもしれませんが、虚熱・虚寒は八綱弁証の中では重要な表現でもあり、身体の状態を説明するものなので、東洋医学を学ぶ上では陰虚・陽虚だけではなく、虚熱・虚寒も知っておかないといけないものになります。
虚熱・虚寒ということは、実熱・実寒というのも存在しているので、暑い季節であれば熱が強いので実熱、寒い季節であれば寒が強いので実寒という表現になります。この実熱は陽実であり、実寒は陰実とも言えるので、最初の段階では、この実熱は陽実、実寒は陰実という表現も覚えてしまう方が東洋医学の用語を理解する上では大切になります。