あかぎれの灸

Pocket

 冬の時期はあかぎれが出やすいですが、乾燥しやすい人や水仕事をしている人は1年中、あかぎれに困るいますが、あかぎれにはお灸をするのが効果的だと言われています。

 手先や足先が乾燥してくると、肌の状態がかさかさになり、裂け目が出来てしまうのがあかぎれですが、酷くなると赤いところが見えて、痛みと出血が出てしまうことがあり、日々の生活でも不便さを感じてしまうことがありますね。

 

 あかぎれは肌が割れてしまっている状態なので、軟膏や絆創膏で対処をする人が多いですが、お灸が効果的です。お灸をするとあかぎれの痛みが大きく軽減するだけではなく、肌の状態も元に戻る手伝いをすることになるので、肌荒れがひどいところにはお灸をするのが効果的だと言えますね。

 

 あかぎれの灸では、透熱灸という艾をひねって行うやり方になるので、家庭で行うのは難しいですが、台座灸を持っているようであれば、あかぎれがあるところにお灸をしておくと、痛みが少しは軽減することが多いです。

 

 あかぎれの灸でよく言われているのは、あかぎれの大きさに合わせた透熱灸を行って、お灸で生じた灰を紫雲膏で塗りこむとよくなることが多いという方法です。どうやって、皮膚が再生されるのかは分かりませんが、皮膚が再生されるための膜を作ることによって、再生が進みやすくなり、よくなっているのではないかと思います。

 

 艾はヨモギの葉の裏にある細かい線維でできているので、紫雲膏を塗ることによって、軟膏の絆創膏のような状態になっているのではないかと思います。出血が止まりにくい場合にも小さい傷口であれば燃やしていない上質艾を上において絆創膏をつけておくと、出血が止まると言われています。

 

 線維が細かい物の特性を生かした使い方になるので、出血でもあかぎれでも効果があります。

 

 あかぎれのところに灰を置いて紫雲膏と塗りこむと、灰は黒、紫雲膏は紫という2色になり、合わせると暗い色になるのは当然なので、あかぎれでも目立つところだと、汚れているように見えてしまいますね。

 

 お灸は痛みがあるところに用いると痛みが消えることが多いですが、火傷をさせてしまうと傷口の管理が難しくなるので、透熱灸のテクニックが重要になります。透熱灸のテクニックに関しては以前のブログでも書いていますので、参考にしてください。

「お灸が上手になるコツーお灸はリズム」

「お灸で火傷をさせない方法」

 

 色が付いてしまうのは嫌だなという場合は、あかぎれの起きているところに火傷をさせないように透熱灸を何壮か行うといいですね。

 

 お灸で使う艾は、ヨモギの葉をすりつぶして、葉の裏にある線維を使っていて、何かを加えたりしていないので、天然の物なので安心ですね。

 

 鍼灸師の人でも手荒れをしてしまって触診と治療をするときに、指先がガサガサしてしまっている人は、日常的なケアとして取り入れると、よくなるのを体験できると思います。よくなったのを体験するのは、鍼灸の治療を理解する上でも重要ですし、患者さんへの説明でも説得力が出るので、積極的にやってみてください。

 

 私は、あかぎれがないので、自分の身体で体験するのは、いつのことになるのかが分かりませんが、効果的ですよ。

Pocket